黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第5話
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わず息を呑んでしまう。
一方。ジュリウス達の整然とした姿に敬礼を返しながら、ジークフリートとアビスは厳かに口を開いていた。
「ご苦労。……俺は『マルコシアン隊』の隊長、ジークフリート・マルコシアン大佐だ。非番のところ、急に呼び出して悪かった。今日は折り入って、お前達に聞きたいことがあってな」
「マルコシアン隊への配属。その『打診』を断った理由を改めて聞かせて貰いたい」
そんな2人からの問い掛けに、ジュリウスは背筋を正したまま神妙な面持ちで声を上げる。
「その理由なら、すでに先日お伝えしております。若輩の身である我々では、栄えあるマルコシアン隊の隊員としてはあまりに力不足。ジークフリート大佐の名誉を汚さぬためにも、辞退が最善と判断致しました」
「……士官学校を上位の成績で卒業していたお前達が力不足? それではウチの部隊には若い連中が1人も入れないな。年寄りばかりが集まった『精鋭部隊』など、笑い話にもならんぞ」
「そういう無駄かつ不利益な『忖度』が、俺達は1番嫌いでな。立場が邪魔だというのなら、こちらから命じてやる。腹を割って話せ」
「……」
ジュリウスの口から告げられた、尤もらしい表面上の「理由」。その内容に眉を顰めたジークフリートとアビスは、真意を聞き出そうと「覇気」を露わにする。そんな彼らの眼光と真っ向から向き合うジュリウス達は互いに一瞥し合い――やがて、飄々とした佇まいを見せ始めた。
「……では、命令通り遠慮なく。『実力』が不確かな上官の元では働けない、ということであります」
「き、貴様らァッ……! ジークフリート隊長やアビス大佐に対して、なんたる無礼なッ!」
「あぁ失礼致しました中佐、そういうご命令でしたので」
「ぬぁあにをぉおぉおぅッ!?」
本性を露わにしたジュリウス達の態度に、ヴィルヘルムは般若の形相で殴り掛かろうとする。そんな彼を片手で制しながら、ジークフリートはジュリウス達を神妙な眼で見渡していた。
「自分で言うのもなんだが、俺達は陸軍の中でもそこそこ名が通っている方でな。それでは『実力』の証明にはならない、ということか?」
「……大佐の方がよほどご存じでしょう。この国の軍部はとにかく、そういう『ハッタリ』が大好きなのですよ」
「広報映えしそうな見掛け倒しの木偶の坊に、でっち上げの『伝説』を貼り付けただけ。そんな張子の虎を俺達は何人も見て来たし、そいつらも今や名実共に俺達の部下だ」
「こんな辺境の基地にノコノコ出向いて来たってことは……あんたは違う、ってことを証明してくれるんだろう? 期待しても良いんだろうな?」
「こ、こんの不敬極まりない無礼者共がぁあッ……! ジークフリート隊長ッ! アビス大佐ッ! やはりこんな奴らをマルコシアン隊に入れる
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