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仮面ライダーAP
黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第4話
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」の後に付いて来るのだと譲らないランバルツァー。双方の口論は絶えず続き、隊員同士でもその話題で議論になることがあった。
 その過去を思えば、ランバルツァーがこれほどの暴挙に出ることも、ある程度は予想が付いたのかも知れない。しかしその可能性が脳裏を過っても、それを口にすることは誰にも出来なかったのだ。ジークフリートでさえも、それだけは口に出来なかった。

「破壊と創造は常に表裏一体。俺の信念を理解出来なかったお前達に、俺が伝えたかったものを示すには……『現象』を以て説くより他はないと判断した。そして事実、お前達はここに辿り着くまでに多大な犠牲を払って来た。ヴィルヘルム、エドガー、レオン。お前達に人間を超えた力があれば、奴らが死ぬこともなかったはずだ」
「……ッ!」

 ランバルツァーが隊員達に課していた、苛烈なまでに厳しい訓練の数々。それら全てが祖国に対する深い愛国心があってこそのものであったことを、隊員達も肌で理解していた。そうであるからこそ、これほどまでに歪んでしまった彼の姿に、バイルは無言のまま怒りを露わにしている。

 国を愛するが故に軍人となった男が、祖国に力を齎すためだけに怪物に堕ちる。これほど皮肉なことはないだろう。破壊を伴わなければこの国に未来はない。その結論に至ってしまった師父の言葉に、ペンダントを懐にしまったバイルは鋼鉄の拳を握り締める。

(……大佐。あんた、変わったよ……!)

 最愛の恋人を奪い。仲間達を裏切り。故郷を破壊し。自分から全てを奪い去った、かつての父。そんなランバルツァーを睨み上げるバイルの双眸は、殺意にも似た憤怒の色で満たされていた。

「とはいえ……ここまで大勢生き残っていたのは想定外だった。スパルタンシリーズの性能限界など知り尽くしていたつもりだが……どうやらお前達は俺が居ない間に、そのスーツの性能を限界以上にまで引き出す術を編み出していたようだな」
「……」
「だが……俺が育てた『グールベレー』には勝てん。かつてお前達に課したものよりも、遥かに過酷な訓練を乗り越えた奴らだ。人間の限界を超えた改造人間が、さらに俺の戦闘技術を継承すればどれほどの域に達するか……想像出来んお前達ではなかろう。人間を超えた者だからこそ到達出来る、真に強き兵士……それが今の我々だ」

 シェードに寝返ったランバルツァーが新たに創設したグールベレー。それは、マルコシアン隊の隊員達が経験したものよりも、さらに苛烈な訓練を潜り抜けて来た猛者の集まりなのだ。
 生身の人間では到底耐えられないような訓練でも、改造人間の身体能力なら最後まで付いて行くことが出来る。その訓練の中で獲得した戦闘技能は、人間の集まりに過ぎないマルコシアン隊のそれを遥かに超えているのだ。

 同じ師の元で育った、いわば兄弟のような関係で
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