黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第3話
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。その事実を把握したリーダー格の眼光に、油断の2文字は無い。
この指揮所に集まっている上級戦闘員達は皆、並の戦闘員よりも遥かに高度な改造を施されている特殊な兵士だ。織田大道のような異形の怪人に自力で変異する能力こそ無いが、個々の戦闘力は非常に高い。
全身を変異させるほどの異能が無いため、カテゴリー上は「戦闘員」と呼称されてはいるものの、実際の戦闘力においては並の幹部怪人を大きく上回る。それどころか、シェード上層部の近衛である「黒死兵」さえ凌駕するとも言われているのだ。
そんな上級戦闘員達は、一斉に後方へと振り返る。彼らの視線の先に居るのは、幹部怪人達の中でも上位に位置する「強者」であった。上級戦闘員達をさらに凌ぐ、暴力の化身。その者はまるで人間のような背格好で、優雅に佇んでいる。
「……硝煙で空が曇っているな。これでは、この戦地で散華した亡霊達も天には昇れん。ならば、如何なる御霊も等しく地獄に堕ちるしかない。我々には似合いの空だな」
上級戦闘員達の前に立つ、端正な黒スーツを纏った1人の大男。黒いボルサリーノハットを被り、後ろに手を組んで佇んでいる彼は、上級戦闘員達に背を向けたまま暗雲の空を仰いでいた。
この大男こそが、今回の事件における最大の黒幕。シェード北欧支部の大部隊を率いて、このエンデバーランドを火の海に変えた諸悪の根源。そして、この指揮所に居る上級戦闘員達を含めた全ての戦闘員を統率している、前線指揮官であった。
「……彼らのうち、私の元まで辿り着く者が1人でも現れようものなら。北欧支部最強と謳われたお前達の面目は丸潰れだな? 隊長」
「そのようなことは万に一つもあり得ないということを、これから証明して見せましょう。我々……『グールベレー』の真価を以て」
上級戦闘員のみで構成された、シェード北欧支部最強の精鋭戦闘集団「グールベレー」。
その隊長を務めるリーダー格の男は暗赤色のベレー帽を被り直し、指揮官の背中を鋭く睨み付ける。ベレー帽に描かれた食屍鬼のエンブレムが、指揮官に狙いを定めているかのようだった。
――今回の侵攻を決定したのは、この指揮官をはじめとする組織の上層部だが。具体的な作戦内容を立案し、実行に移したのはグールベレーであり、スパルタンシリーズのほとんどを潰したのも彼らだ。
いわば彼らこそがこの街を焼き尽くした張本人であり、エンデバーランドの市民やマルコシアン隊にとっては直接の「仇」。この事件における、もう一つの黒幕と言える存在なのだ。
「一応聞いておくが……この期に及んで、『祖国』に対する同情が芽生えたのではなかろうな。我が組織の改造技術……その力の優位性を祖国に証明し、この国を生まれ変わらせる。そのためにシェードに参加
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