黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第1話
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リージュ》を果たさねばならない。
ここで命を賭けられぬ者に、民草の上に立つ資格などない。その信念を帯びた蒼い瞳が、ジークフリートの双眸を射抜いていた。
そんな彼が装着している第2号機「SPR-02ランチャースパルタン」の仮面とボディは黄色を基調としており、両肩には物々しい多弾頭ミサイルランチャーが搭載されている。特殊部隊の戦闘服を想起させるスーツのシルエットは、「大量発生型相変異バッタオーグ」に通じるものであった。
「王位を継ぐ資格もある大貴族のセリフとは思えんな。平凡な家に生まれた俺とは違って、お前の死はこの国にとっての絶大な損失なんだぞ。何故そこまで俺に付き合う?」
「私はファルツ家の当主ですが、その前にあなたの副官なのです。独りでも立ち上がらんとする隊長を捨て置いて……それで私に一体、当主としての何を誇れと?」
「……ふっ、お前はそういう男だったな」
ヴィルヘルムはジークフリートに追従する意思を宣言すると、片手でカシャンとマスクを閉鎖していた。どうやら、彼の決意は固いようだ。それは当然、他の生き残り達も同様であった。ランチャースパルタンと同じ系統の鎧を装着した3人の部下達は、毅然とした表情で隊長を見つめている。
「そうですぜ、隊長。俺達皆、隊長を信じてここまで付いて来たんです。死んで行った奴らも皆……隊長のためなら死ねるって、最期まで信じてたんですよ。この期に及んで、日和ったこと言わないで下さいや」
ニコライ・イェンセン少尉。一兵卒からの叩き上げで士官まで登り詰めたベテラン隊員であり、部隊のムードメーカーとして隊員達からも愛されていた男だ。彼が装着している第3号機「SPR-03キャリバースパルタン」は緑色が基調となっており、背中に装備した大型の刀剣は煌びやかな輝きを放っている。
「我々は皆、一心同体。死ぬ時は皆、共に同じ戦場で死に行くのです。先に逝った同志達のためにも……我々は最期まで、栄えあるマルコシアン隊としての務めを果たさねばなりません」
エドガー・バレンストロート大尉。ファルツ中佐と共に部隊の規律を正していた事実上のNo.3であり、冷静沈着な佇まいを心掛けている男だ。しかしその実、誰よりも熱くなりやすい人間だということを部隊の誰もが知っている。第4号機「SPR-04ジェットスパルタン」を装備している彼の仮面とボディは青基調となっており、背部の機械翼による飛行能力が最大の特徴なのだ。
「……僕も同じ気持ちです。確かに死ぬことは怖い。だけどそれ以上に怖いのは、死ぬまでに何も果たせないことなのです。自分がここまで生き残っている意味を、死んだ仲間達に証明したい。その機会だけは奪わないで下さい、隊長!」
レオン・ロスマン中尉。士官学校出の「お坊ちゃん」なエリート士官であり、
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