黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第1話
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人体実験の首謀者だった徳川清山は逮捕・収監され、亡霊は闇に葬り去られることとなった。しかし、力を持て余した人外の怪物達が、それで終わるはずがなかったのだ。
2009年1月。日本の某テレビ局が、シェードの復興を目論む残党達によって占拠されるという事件が起きた。徳川清山の解放を要求する彼らは、現場に居合わせた人々を人質に取ってしまったのである。
テロを撲滅するために作られた組織が、今度はテロ組織そのものとなってしまった。しかも、人外の力は今も彼らの手の内にある。その凄惨な事実に人々はただ戦慄し、恐怖するしかなかった。
そんな中。シェードの戦闘員である「No.5」こと吾郎は、恋人・日向恵里のワインをきっかけに清山の洗脳から解放されていた。突如シェードを裏切った彼は、かつての同胞達に対して宣戦を布告。残党達を率いていたフィロキセラ怪人こと織田大道を倒し、シェードに対して反旗を翻した。
そして恋人の前から姿を消した吾郎は、孤独な愛の戦士「仮面ライダーG」として戦い抜く決意を新たにしたのである。
この世界の「物語」は、ここから始まったのだ。
――そう。この輝かしい英雄譚は、ほんの「序章」に過ぎない。人間の自由と平和を懸けた戦いの歴史は、始まったばかりだったのだ。
◆
2024年現在から、遡ること15年。
2009年7月某日――北欧某国首都、エンデバーランド中央区。その地はこの国の命運を左右する、「決戦の場」となっていた。
優雅な西洋風の建築物に彩られていた、かつての大都市。そこは破壊の限りを尽くされたゴーストタウンと化しており、廃墟ばかりが建ち並ぶこの一帯には、まるで生気というものが無い。
長期間に渡る戦闘により立ち昇る大量の硝煙と爆煙。その暗澹とした猛煙が空を覆い、この街が「地獄」と化した事実を物語っている。先ほどまでは街中に轟いていた民衆や兵士達の怒号や悲鳴も、今となってはほとんど聞こえて来なくなっていた。
無事にこの場から逃げ切ることが出来たから、という理由なのは少数派だ。大半は物言わぬ骸と成り果て、この破壊し尽くされた大都市の至る所に放置されている。暗雲に太陽の輝きを奪われた死の街。それが、この当時のエンデバーランドだった。
この街の――この国の防衛を託された「最後の希望」たる英雄達も例外ではない。この某国の陸軍が開発した、戦闘用強化外骨格「スパルタン」を纏って戦っていた精鋭の陸軍兵士達も、その多くは鎧ごとバラバラに砕け散っている。
――約半年前、日本の某テレビ局で起きた「シェード」によるテロ行為。その大事件を皮切りに世界各地で発生した改造人間による破壊活動の被害は、この国にも及んでいた。
シェー
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