黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第1話
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むかしむかし、とおいくに。そこには、くにをまもるゆうかんなきしたちがいました。
あるとき、ひとりのきしがいいました。「ぼくは、このくにをまもれるつよいちからがほしい」。けれどそれは、とてもおそろしいのろいのちからのことだったのです。
ほかのきしたちはもちろんだいはんたい。それでも、そのきしはちからをもとめてたびだってしまいました。
そして、そのきしは、おそろしいすがたのひとくいおにになってかえってきたのです。きしは、なかまたちのこともわからなくなっていました。
なかまたちはおどろき、かなしみ、おにになったきしをやっつけてしまいます。
くにをまもれるつよいちから。それをほんとうにもっていたのは、のろいになんかたよらない、このくにのきしたちだったのです。
――これは、今から15年くらい前に発売された絵本の概要だ。国を護る力を欲した騎士が呪いに染まって悪に堕ちてしまい、怪物になってしまう。その怪物になったかつての友を倒し、本当に国を護って見せたのは、呪いの力になんて頼らなかった騎士達の方だった。そんな、わりとありがちな話だ。
ただ、児童向けの絵本にしちゃあ結構踏み込んだストーリーだったこともあって、当時は結構人気だったらしい。今でも、小さな子供が居る家庭には大抵置いてあるって聞く。もう2024年だってのに、変わらねぇところは変わらねぇもんだ。
そんなこの絵本なんだが……最近、妙な噂を耳にした。聞くところによるとこの絵本の作者は昔、大きなテロが起きてたっていうあの国に居たらしいんだ。しかも、実は元軍人なんだとか。だからもしかしたら、この絵本の内容は作者の「実体験」が元になってるんじゃないか……ってことらしい。
根も葉もない与太話なんて、ネットのどこにでもあるもんだが……その国で起きてたデカいテロってのも、ちょうど今から15年前のことなんだよなぁ。もしかしたら、もしかするのかも知れん。
この絵本のタイトルにあった主人公の名前も、ひょっとしたら……「そういうこと」だったのかもな。ええと、タイトルは確か――
◆
――21世紀初頭。ソビエト連邦の崩壊に伴う冷戦終結後も、世界各地では紛争やテロが多発するようになっていた。当時の日本政府はこの事態に対処するべく、対テロ組織「シェード」を各地に派遣。彼らは紛争地帯やテロの現場で多大な戦果を挙げ、全世界にその名を轟かせていた。
しかしそれらの成果は全て、シェードの創設者である徳川清山の主導によって進められて来た、非人道的な洗脳や人体実験があってこそのものだったのである。「改造人間」と呼ばれるその歪な存在を、社会は許容することが出来なかった。
ほどなくして、シェードは解体。
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