第十四話:ローズマリー村の終焉
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ーーー助けて、助けて、と泣き叫ぶ子供と、子供に手を伸ばし、力尽きる大人ーーー
そこは、かつてと遊んだ村とは思えない程、激変した場所になっていた。
現実と思えないその光景は確かに、幼きエルザの心に罅を入れるのに十分なものだった。
★★★★★★★
「は…?」
ネロがローズマリーに到着した頃は、既に賊どもが荒らし終わり、村から離れた時だった。
手に持っていたお土産として獲った巨大な魚を握る力が弱まり、放してしまう。
茜色のサイヤ人は目の前の光景に呆然とし、受け入れられずに空へと跳躍して村全体に目を通した。
「なんだよ…何が起きたんだよ…!!」
そこから目に入るのは、死体と崩れた瓦礫。
もはや、以前のローズマリー村の面影は皆無に等しい程に荒れた状態だった。
「…!!みんな…っ!!」
次に目に入ったのは、少年が一時期に厄介になった教会ーーー荒れ果てた教会。
気が付けば白いオーラで加速して地上に降り、教会の中に入ろうとしたら入口らしき場所が崩れ、完全に入れなくなってしまう。
「…くそ…!!クソッ!!魔力が…みんなの気が感じねえ…!!…いや、村の外から何人かの魔力を感じる…避難している…?」
ネロは悪足?きを込めて生存者の‘’気‘’、魔力を感知しようとして、思わぬ収穫を得た。
生存者が怪しい状況から、微かな光明を得たとばかりに行動に移し、近くに感じる魔力へと加速した。
その魔力へと向かえば、その魔力の発生源主と思われる存在は村の民家に置いてある樽から発せられている。
その樽に隠れていられる程の大きさ的に子供が入れそうなサイズ。
「まさか…エルザか!?」
ネロの脳内には後ろについて着たり、早く帰ってきてよと手紙というを送ってくる少女の姿が過った。
ギルドに入ってからも、偶にはこのローズマリー村に帰っては一緒に居ることが多いその少女はネロにとっても、妹のような存在だ。
最近口うるさかったり、初めて会った時より真面目になっていったが、とてもいい子で自慢な妹分である。
きっと、あの子の日頃の行いとかで被害に遇わずに済んだのだろう。
無意識にそう願った、思った。
そうであれば、と思い樽の蓋を上げれば――
「ひぐっ…ひぐっ…!!」
思っていた少女と違う、前髪を水平に一直線にした黒い髪の少女が膝を抱えながらこっちを怯えた目で見上げていた。
「お…まえ…は…」
どこか見覚えがある、そうだ村の子供たちと遊ぶときに一緒に居た気がする。
確か、歳が近い兄と一緒に居た子だ。
名前は――
「だ、大丈夫か…今ここに居るのはオレだけだから出て大丈夫だぞ」
躊躇いがちにそ
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