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英雄伝説〜黎の陽だまりと終焉を超えし英雄達〜
第17話
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市街〜



「よし――――――着いたぞ。」

「ここれがラングポート……!」

「今回の道中も色々ありましたね。」

「途中でかなり飛ばしたからそこまでは遅れなかったけどな。まずは――――――」

ヴァンが今後の予定を二人に伝えようとしたその時車内に通信が来た。

「誰なんでしょう?」

「まさか………」

通信相手にフェリが首を傾げている中察しがついたヴァンは真剣な表情を浮かべると通信相手がヴァンへの通信を始めた。

「ヴァン・アークライド君だね?私はファン・ルウという者だ。チョウから聞いていると思うが、まずは会って話をしようか。」

そして通信相手――――――ファンの呼び出しに応えたヴァンはファンがいる九龍(クーロン)ホテルの傍に駐車した後、ホテルの従業員の案内によってファンがいる貴賓室に通され、ファンとの会談を始めた。





〜新市街・九龍ホテル〜



「ようこそ煌都へ――――――”アークライド解決事務所”の諸君。私がファン・ルウだ。」

ヴァン達と対峙したファンは両手を広げて自己紹介をし、ヴァン達の訪問を歓迎している事を伝えた。

「なるほど、貴方がチョウの主家筋で、”黒月”次期長老の一人ってわけですか。」

「フフ……一応”九龍銀行”の副頭取なども務めているがね。」

「”九龍銀行”……?」

「カルバード両州で二番目、大陸全土でもかなり上位の資産を誇る大銀行ですね。移民関係や外資系企業との連携も多く、政財界で大きな影響力を持っているとか。」

初めて聞く言葉に首を傾げているフェリにアニエスが説明した。

「へえ……」

「はは、そちらのお嬢さんはよく勉強しているようだね。」

「……恐縮です。」

「そんなお偉いさんがわざわざ俺達にお会いになりたがるとは。しかし到着した直後の呼び出し――――――こちらの行動は全て把握済みですか。」

「一応このラングポートは”黒月”の本拠地でもあるからね。予定していた客人の到着を知るくらいそう難しいことではないさ。ただ、組織が大きくなりすぎると逆に、なかなか自由に動けなくなるものでね。」

「ま、その辺のことは一応、チョウから聞いていますよ。」

「付け加えるなら、そうだな……”黒月も一枚岩ではない”、と言っておこうか。」

真剣な表情で答えたファンの忠告にヴァン達はそれぞれ表情を引き締めた。



「何か大きな分裂があるわけではない、それは誤解しないで欲しい。ただ、事が事だけに、今回の問題はかなりデリケートなんだ。多分君達が思っている以上にね。」

「だから自分達が動く事態になる前に、俺達に依頼した、と。」

「その通りだ。勿論チョウのお墨付きからこそだが、実
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