第17話
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さっきの口ぶりからすると幼馴染の姉の事も心配なんだな?」
「アーロンのように付き合いが長い事もそうだけど、黒月の重鎮であるパパの娘のあたしに対して偏見や先入観を抱かず接してくれる貴重な人で、あたしにとっても大切な”姉”だもの。」
ヴァンの質問に対してアシェンは苦笑を浮かべて去って行くマルティーナの背中を見つめながら答えた。
「えっと……アシェンさんの口ぶりですと、もしかしてマルティーナさんもアーロンさんのように何らかの武術を修めているのですか?」
「ええ。何でも異世界にいた頃は異世界の宗教の”騎士”をしていたらしく、魔術に加えて剣術と槍術も修めていて、その腕前はアーロンでも及ばない程よ。」
「”異世界の宗教の騎士”ですか……先程の話に出たアーロンさんよりも実力が上という件も含めて気になる人ですね。」
「その割には遊撃士のような戦闘関連の職業には就いていない口ぶりだったよな?」
アニエスの質問に答えたアシェンの話を聞いたフェリは真剣な表情を浮かべ、ヴァンはある事をアシェンに確認した。
「マティ姉さんはアーロンと違って戦いは好まない性格で、今は九龍ホテルの従業員を務めているのよ。――――――伝えるべき情報はこのくらいかしら。後は――――――街を案内しましょうか?」
「いや、自分達で回るから大丈夫だ。」
「そう?じゃあ、あたしはそろそろ帰るわね。困ったことがあれば連絡してえちょうだい――――――アーロンのこと、お願いね。」
「面倒な依頼だが、やってみるさ。」
そしてアシェンは自分達を尾行していたリムジンに乗ってその場から去った。
「随分遠回りになったが、そろそろ飯店に行くぞ。と言ってもすぐそこだがな。」
その後、ヴァン達は車で予約していた『桂花飯店』に着き――――――遅めの昼食と少しの休憩を取った後、改めて『解決業務』を始めた。
「♪〜〜〜おお若いの、こいつはお主の車じゃったな?」
解決業務を開始したヴァン達が飯店を出ると入り口付近を掃除している下働きの老人がヴァンに声をかけた。
「ああ、そうだぜ。」
「イイ車じゃが、このままではいかんのう。この煌都は潮風が強いからな。」
「どういう事ですか?」
「ああ……確か潮風は車体を錆びさせるとか?」
老人の忠告の意味がわからないフェリが不思議そうな表情を浮かべている中、ある知識を知っていたアニエスは老人に確認した。
「うむ、そこでじゃ。サビ除けのワックスをしてやるぞ?お題は1000ミラじゃ。」
「ハン、いい商売だな。そんじゃあ宜しく頼むぜ。」
そして老人に作業代を渡したヴァン達は4spgを開始した――――――
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