暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第195話:猛き炎に支えられて
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アンティークな電話が着信音を鳴らした。こんな瓦礫の山と化した場所に小綺麗な電話機が置かれているというシュールな光景に2人の意識もそちらへと向いてしまう。

「何でこんな所に電話がッ!」
「ッ! 逃げろ、罠だッ!」

 ガルドの警告も空しく、電話機に気を取られている2人をアダムが纏めて殴り飛ばした。単純なパワーとスピードだけでなく、人間の姿を保っていた時から持っている狡猾さも用いて戦ってくる。その厄介さを目の当たりにしつつ、切歌と調を不意打ちで無力化したアダムにガルドとマリア、そしてクリスは怒りを露にした。

「クソッタレッ!」

 クリスのガトリングが火を噴き、放たれる銃弾をアダムガ両腕で防御する。弾幕を前に釘付けにされているアダムの姿を、好機と見たマリアとガルドが背後から襲い掛かった。

「汚い手を使ってッ!」
「よくもッ!」

 槍と短剣をアダムの背に振り下ろそうとした2人だったが、アダムの複眼は背後から飛び掛かってくる2人の姿も捉えていた。アダムはガルドを尻尾で地面に押し潰す様に叩き付けると、そのまま尻尾をマリアに巻き付け締め付けながらクリスに向けて放り投げた。

「グハッ?!」
「あ、うぐぅっ!? あぁぁぁぁぁっ!?」
「うっ!?」

 マリアを投げつけられたクリスは彼女を何とか支えるが、そのせいでクリス本人は動けなくなってしまう。動けないクリスはただの的となり、アダムは彼女に渾身の一撃を叩き込もうと殴り掛かる。

「くっ!?」
「ッ!!」
〈イエスッ! アーマースペシャルッ! アンダスタンドゥ?〉

 それを黙って見ている透ではなく、彼は自身の中の魔力を全力で駆使するアーマードメイジとなりアダムの攻撃を受け止める。颯人のインフィニティースタイルには及ばないながらも高い防御力を持つこの姿なら、クリスを守る事くらいは出来ると踏んだのだ。
 彼の読みは正しく、多少足が地面にめり込みはしたがそれでもアダムの拳を防ぎきる事は出来た。その事に彼が束の間安堵したその時、アダムの嘴が開き炎が集まると火球となって吐き出され透の背後にいたクリスとマリアを纏めて吹き飛ばした。

「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「ッ!?」
「いけないね、余所見をしちゃ」

 背後でクリスとマリアが吹き飛ばされた事に意識を持っていかれた透を、アダムは最初に殴ったのとは逆の手で殴り飛ばした。如何に防御力に優れるアーマードメイジであろうとも、意識が別の方を向いていては意味がない。あえなく彼もまたアダムの手により殴り飛ばされてしまった。

「これで残るは、君らだけか……」

 邪魔者は全て消したと言わんばかりにアダムが颯人達の事を見る。その視線に思わず慄いた響が身構えたその時、アダムにサンジェルマン達が挑みかかった。


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