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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第195話:猛き炎に支えられて
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た事は、颯人のウィザードがウォータースタイルの時のみ使えるリキッドの炎バージョンとも言うべきものである。本来この肉体を掴む事の出来ない物へと変える事はかなりの魔力を消耗するので、普段のウィザードギアであろうとも出来る事では無い。
だがブレイブとなった今のウィザードギアであれば話は別だった。この姿の奏にはある秘密があったのだ。
「今、奏と俺はかなり深い所で繋がってるみたいな感じでな」
「深い所?」
「簡単に言えば、俺の魔力がそっくりそのまま奏にも流れてるって訳だ」
今までのウィザードギアであれば、奏が使えるのは颯人が意図的に彼女に流すか普段何もしなくても勝手に彼女に流れ込む魔力のおこぼれ程度でしかない。それでも数分の戦闘を支えるのには十分な量ではあるが、それでも強敵との戦いではどうしても制限が付いて回る。
対してブレイブとなったウィザードギアは、見えないバイパスで颯人と奏が魔力を共有しているのに近い状況となっていたのだ。そして颯人は、魔力を回収して還元・ほぼ制限なしで魔力を使う事が出来る。
つまり何が言いたいかと言うと、颯人がインフィニティースタイルを使用している時限定ではあるが、奏もまた魔力の制限なしに全力で魔法を使えるようになったのである。そのお陰で本来であれば魔力消費が大きく使う事の出来ない体の炎化による驚異的な再生と瞬間移動も可能となったのだ。
「まさか……そんな事が……!?」
状況を理解したアダムも思わず唸る。颯人は死の運命を乗り越えただけでなく、奏限定ではあるが驚異的な力を分け与える事が出来るようになったのだ。
状況は完全に颯人達に傾いた。それを察してか響も力強い目でアダムを見やる。
「アダムさん、まだやるんですかッ!」
正直に言って、今のアダムには最早勝ち目が見られなかった。颯人には一切の攻撃が通じず、奏はそれに準ずる力を持つ。そして周囲のアルカノイズは着実に数を減らし、本来彼の仲間であったサンジェルマン達も寝返っている。
普通に考えれば詰みの状況。だがもう何も失うものが無くなったアダムは、ここで諦める事を良しとしなかった。
「やるか、だと? 神殺し? まだやるかと言ったのか? 人間風情が……!?」
アダムにとっては虚仮にされたも同然の言葉だった。完全である筈の自分が、不完全な人間風情に降伏を迫られているのが彼には我慢ならなかった。
アダムの目が怪しく光ると、突如として失われていた左腕の切断面から新たな腕が伸びる。だがそれは、最早人の腕の形をしてはいなかった。
「えっ!?」
「うぇ、何だあれ?」
まるで肉塊を無理矢理腕の形にしたような左腕を見て、響と奏が生理的嫌悪に思わず後退る。一方颯人はそれを見ると、仮面の奥で溜め息を吐きながら目
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