暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第195話:猛き炎に支えられて
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れが俺の得意技でねッ!」
〈インフィニティー!〉

 目にも留まらぬ速さで動き回る颯人に、アダムはついていく事が出来ない。アダムの素早さは飽く迄も身体能力に由来する素早さ。時間そのものを操作しての、颯人の高速移動にはついていく事が出来ない。
 軌跡だけを残して動き回る颯人により、アダムの体が切り刻まれていく。それをアダムは、体の隙間からエネルギーを放出することで対抗した。

「否定させるものか、この僕を誰にも……お前には絶対にッ!」
「ふざけんな! 颯人が何時お前を否定したッ!」
「何をッ!」

 エネルギーの放出で周囲が火の海に包まれる中、奏が炎に変えていた体を実体に戻してアダムに斬りかかる。振り下ろされた槍をアダムは受け止め、お返しに殴り返すが奏は再び体を炎に変えて攻撃を無力化。そしてアダムの死角に回り込むと、回転させた槍から無数の火炎弾をアダムに向けて放った。

「うぐ、おぉぉっ!」
「俺が言ったのは、飽く迄もお前も完璧じゃないって事だけだ。お前の存在自身を否定しちゃいねえんだよ」
「黙れッ!? 僕は完全で完璧なんだッ!? それを否定するって事は、僕自身を否定するに等しいッ!!」
「現実を見ろよッ!」
〈ターンオン!〉

 飽く迄も自分は完全であるという前提の下、感情のままに力を振るうアダム。しかしその姿は完全からは程遠く、そもそも完全というある意味に置いた今居な基準が明確でない今颯人にはどうしてもアダムが彼自身の言う完全な存在とは思えなかったのだ。
 その想いをアックスモードにしたアックスカリバーに乗せて叩き込む。

「完璧って何だ? 完全って何だよッ! お前を作ったカストディアンとやらも、お前を失敗作と判断した時点で不完全ろうがッ!」
「なっ!?」
「この世に完全なんてないッ! だからアタシ達は、こうして手を取り合って生きてるんだッ!」
「皆互いに誰かを、何かを支えてるッ! 世界ってのはな、完全であっちゃいけないんだよッ!」

 蝶の羽搏きが何かを引き起こす様に、世に存在する万物は絶えず何かに影響を与えている。だからこそ颯人と奏は互いを愛する事が出来るのだ。そして彼らは、お互いを愛する事が出来るこの世界そのものも愛している。故に、完全など彼らにとって不要な言葉であった。

「だったら……だったら僕は何の為に生まれたんだッ!?」

 颯人と奏の言葉に、アダムは自身の存在意義を失い絶叫しながら残りの全エネルギーを懸けての砲撃を口から放つ。その威力はディバインウェポンが衛星を吹き飛ばした威力にも相当した。

 それを見て颯人と奏は同時に魔法を発動した。

〈〈チョーイイネ! キックストライク、サイコー!〉〉
「生まれた事じゃなくて、生きることに意味を持たせろよッ!」
「生きる事を諦め
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