第16話
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のか、……ご想像いただけるでしょうか?」
「で、連中をどうするか――――――”黒月”としての方針は?」
ヴァンの話に頷いた後説明を続け、問いかけたチョウの問いかけに二人がそれぞれ不安そうな表情を浮かべたている中、ヴァンは真剣な表情でチョウに訊ねた。
「『やるからには徹底的に一撃で』――――――これが長老がたの方針です。今の”アルマータ”はかつての中規模マフィアだった頃とは訳が違います。狙いの見極めも含め慎重を期して掛かる必要があるでしょう。挑発されているとはいえ、短絡的な報復などは避けるべきかと。」
「ま、妥当だな。」
「ただ――――――跳ねっ返りが一人いるのですよ。”黒月”にまだ所属していない、溢れんばかりのカリスマのある問題児が。」
チョウは黒月を悩ましている人物を説明しながらその人物の事を思い浮かべて苦笑を浮かべた。その様子を見守っていたヴァン達は話に出て来た”問題児”が依頼に関わると察し、それぞれ表情を引き締めた。
「―――――少々長くなりましたが食事前のお話はこれくらいで。これ以上はヴァンさんが出張を引き受けて頂いてからと致しましょう。」
「……状況は大体わかったが、面倒くさすぎだろ……確かに”アルマータ”のことは気になるっちゃ気になるが……」
チョウが話を終えるとヴァンは溜息を吐いて答えを濁していたがゲネシスが入ったアニエスのポーチから光が放たれている事に気づいた。
(あ……)
「ふむ……?」
ヴァン同様ゲネシスの反応に気づいたアニエスは驚き、二人の様子を見たチョウは興味ありげな表情を浮かべた。
「とにかく話が急すぎる……!返事は明日にでも――――――」
「いえ、実は私は明朝、”帝都に発つ”予定でしてね。この場で返事が頂きたいのですよ。」
「”帝都”というと……」
「現在のゼムリア大陸で”帝都”と呼ばれている場所は3年前の”大戦”によって”自治州”でありながら二大国に対して”下剋上”をして、この北カルバード州を含めた広大な領土を治めるようになったクロスベル帝国の都――――――”帝都クロスベル”ですね。」
チョウの注意を逸らす為にヴァンは話を戻してチョウの依頼の返事についての答えを伸ばそうとしたがチョウは現時点での返事をヴァンに要求し、チョウが口に出した地名を目を丸くしたフェリにアニエスが真剣な表情で説明した。
「ッ……」
「ふふ、そこで黙られるから貴方には期待してしまうのです。――――――言うまでもなく”保険”です。”そちら”は応じて頂けるかわかりませんので。」
「……そういうことか。やっぱ嫌な野郎だな、アンタ。要は”そこまで”する必要があるほどの事態って訳だろ。」
「そうご理解いただければ。」
「”黒月”
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