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夢幻水滸伝
第三百三十九話 境を接してその五

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「しかしな」
「それ以上にですね」
「なりますね」
「勢力が大きくなりますと」
「そうや、足し算どころかな」
 それに留まらずというのだ。
「掛け算にもなる」
「尚よくなる」
「そうもなるのですね」
「勢力が大きくなりますと」
「そや、それが現実や。それにな」
 スタインベックは官吏達にさらに話した。
「星のモンもな」
「それは同じですか」
「星の方が多いならですか」
「その分多くのことが出来ますか」
「そうなりますか」
「それも出来がよおなるわ」
 その為すことがというのだ。
「そやからな」
「これからはですね」
「どなたかと一緒にやっていきたいですか」
「他の星の方と」
「ネバダ州の内政を通じて痛感してるわ」
 まさにというのだ。
「このことはな」
「そうなのですね」
「それではこれからはですか」
「どなたかと共にですか」
「勢力を治めていかれますか」
「そうしたい」 
 まさにというのだ。
「それにわいは他の星のモンと比べて政治力は落ちるしな」
「そうでしょうか」
「かなりよく治めておられますが」
「ネバダ州全体を」
「結果も出ていますが」
「いや、自分でわかってる」 
 難しい顔で言うのだった。
「ほんまな」
「そうですか」
「ご自身ではそう思われますか」
「政治は落ちると」
「そうなのですか」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「ここは他のモンの力も借りてや」
「治めていかれますか」
「これからは」
「そうされたいですか」
「そう思ってるわ」
 こう言うのだった。
 スタインベックは自分の政に限界を感じてそのうえでこれからのことを考えていた、そしてその頃ユタ州では。
 ミニーは官吏達から仕事中にこう言われた。
「アリゾナ州やユタ州ですが」
「それぞれ星の方が統一されていますね」
「ホイットマン様とスタインベック様が」
「そして善政です」
「素晴らしい政を為されていますね」
「それですね、私も見ていてです」 
 二人をとだ、ミニーも官吏達に答えた。
「お二人共ええとです」
「思われていますね」
「左様ですね」
「ミニー様としても」
「はい」
 まさにというのだ。
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