第15話
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ヴァンが口元に笑みを浮かべると館内放送が入った。
「あん?」
放送内容にヴァンが眉を顰めたその時、スクリーンがあった場所に主演女優であるジュディス・ランスターが現れた。
「ハアイ、皆さん!作品は楽しんでいただけましたか?ゾーイ役の、ジュディス・ランスターです!」
「うそ、本物!?」
「おおおっ、生ジュディスだ!?」
「ラッキー!!」
「えっ、え?ヴァンさん、これって……」
「ああ……たまにサプライズで俳優が舞台挨拶することがあってな。」
「わああっ、こんな事もあるなんてすごく運がよかったんですね、私達!」
予想外の出来事に観客達がはしゃいでいる中アニエスは困惑しながらヴァンに訊ねたが、ヴァンの説明を聞くと嬉しそうな表情で声を上げた。
「……まあジュディス・ランスターを生で見たのは俺も初めてだが……」
アニエスがはしゃいでいる中ヴァンはジュディスを見つめながら何か含みのある様子で呟いた。
「私的に印象に残ったのは何と言っても後半のあの脱出シーンですね……!何せ撮影の際は、共演者も含めてクルー全員でズブ濡れになりながら――――――10回以上も撮り直したんですから!監督ったら『もっとじゃ、もっとエロ――――――情熱的にダイブしろ!』な〜んて容赦なくリテイクして!流石にちょっとキレかかりましたよ〜。」
観客達に映画作成の際の出来事を説明したジュディスは観客達の中にいるヴァン達に気づくと一瞬僅かに驚いて言葉を失くしたがすぐに気を取り直して話を続けた。
(ヴァンさん、あの人って……)
(ああ、多分な……マジで今日一番の驚きなんだが。)
(……まあ、私達に関わったのはあの時が偶然でしょうから、放置でいいでしょう。)
ジュディスの映画作成の際の裏話にアニエスが観客達と共に笑っている中グリムキャッツの正体がジュディスである事に気づいたフェリは小声でヴァンに確認し、確認されたヴァンは頷き、二人のようにグリムキャッツの正体がジュディスである事に気づいていたメイヴィスレインは興味なさげな様子で呟いた。
(……どうします?謝礼も出るみたいですけど。)
(ま、放っとけ。関わったらめんどくさそうだ。)
一方フェリに判断を委ねられたヴァンはグリムキャッツの事を放置する事にした。
その後ヴァン達が映画館を出ると日は落ちていた。
「日が落ちましたね。」
「いい時間だし、メシでも行くか。」
「はいっ、チュロスは美味しかったですけどまたお腹が空いてきちゃいました……」
「ふふっ、成長期ですね。でも何処にしましょう?このあたりはお店も多いですし――――――」
「―――――宜しければご馳走いたしましょう
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