第15話
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ァンの驕りで風呂上がりのアイスを食べていた。
「「「んんんん〜〜〜〜っ!!」」」
「……ふむ。」
アイスを食べていたヴァン達は美味しさのあまりそれぞれ表情を崩して声を上げ、唯一メイヴィスレインは静かな表情で味わっていた。
「冷たくて甘くて美味しいです……!」
「お風呂上りだと格別ですよねぇ。」
「ええ…………よく考えたものです。」
「そう……冷たくて、甘くて、美味しい。ただそれだけだ。」
三人がそれぞれ感想を口にしている中、ヴァンは真剣な表情で呟いた。
「ヴァンさん?」
「奇をてらった味付けもなく、特におしゃれな見た目でもない。単に基本を忠実に押さえただけのミルクジェラート。だからこそ、この場所に相応しい!冷たくて、甘くて、美味しいだけというシンプルな奥深さ――――――人生にも通じる所がある。湯上りの体に爽やかな風を吹き込む、究極の癒しが濃縮されたようなひと時。この瞬間のために生きているんじゃないか?――――――コイツを食べる時はいつもそう思うんだ。」
「な、なるほど……ちょっとだけわかる気がしますっ!」
ヴァンの様子にアニエスが不思議そうな表情を浮かべるとヴァンは詳しい感想を語り、アイスの美味しさに浸っていた。その様子を見たアニエスとメイヴィスレインが冷や汗をかいて呆れている中フェリはヴァンの意見に同意していた。
「(うーん、ヴァンさんの事だから本気で言ってそうな気も……)そ、それよりもメイヴィスレインも食事ができたのね。言ってくれれば、用意をしたのに……」
ヴァンの様子を見た後ある事を思い出したアニエスはメイヴィスレインに話しかけた。
「私達天使は貴女達人間のように生きる為に食事をする必要がない為、言わなかっただけです。」
「そうなんだ……あれ?でも、メイヴィスレインと同じ”天使”のレジーニアさんは普通に食事をしていたけど……」
メイヴィスレインの説明を聞いて納得したアニエスだったが、レジーニアが食堂や教室で食事をしている様子を思い出して首を傾げた。
「恐らくレジーニアは貴女達の生活に合わせる為にあえて食事をしているのでしょう。」
「そうなんだ……フフ、でも”人間”になれる上食事もできるとわかったんだから、これからは時々こうやって私達と一緒に食事をしながらのお喋りを楽しみましょうね?」
メイヴィスレインの推測を聞いて目を丸くしたアニエスはメイヴィスレインを見つめて微笑みながら提案し
「貴女がそれを望んでいるのでしたら、仕方ありませんね。――――――ですが、肉や魚といった他の生物等の命を犠牲にする食物を口にする事はさすがに無理ですから、その点は必ず覚えておいて下さい。」
「そういえばレジーニアさんも肉や魚の料理を口に
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