第六十話 酔いどれ詩人その一
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第六十話 酔いどれ詩人
セラフィム、四つの顔と四枚の翼と四本の足を持つ天使達を倒してだった、メルヴィルは彼等に対して言った。
「どないや」
「お見事です」
「そう言わせて頂きます」
智の天使達はこう答えた。
「我等を一撃で退けたのですから」
「そう言うしかありません」
「そやねんな、しかしな」
メルヴィルは右手に持っている散弾銃型にしていたブリューナクを機関銃型にしてからそのうえで天使達に話した。
「次の神霊さんはイスラムやな」
「左様です」
「アブー=ヌワース殿もおられます」
「イスラムの方々がおられます」
「それで自分等キリスト教の天使さん達も出て来るか」
「まあそれはです」
「それぞれの神界からの試練ということで」
天使達はメルヴィルにそれぞれの顔から話した。人と牛、獅子、鷲の四つの顔からそれぞれ人の言葉を言ってきている。
「それでご了承下さい」
「先程は深き者が出て来ましたし」
「この階はそれぞれの神界の僕達が出てきます」
「そうした階なのです」
「そういえばそうした階これまでもあったわ」
メルヴィルは言われて頷いた。
「天使さんの後悪魔が出たりとか」
「左様ですね」
「この塔にはそうした階も多いです」
「そうだとご了承下さい」
「ほなな」
メルヴィルもそれならと頷いた。
「納得したわ」
「はい、それではです」
「お金は置いていきますので」
「先に進んで下さい」
「ご検討を祈ります」
天使達はこう言って去っていった、その彼等を見送ってからだった。
メルヴィルは床と壁それに天井が虹色に輝く階の中を見回してそのうえで仲間達に対して話したのだった。
「ほな先にな」
「行きましょ」
アレンカールが応えた。
「戦も終わったし」
「ほなな」
「ええ、しかしね」
アレンカールはこうも言った。
「ここまできて何だけれど」
「どないした?」
「いえ、この階眩しいわね」
虹色に輝くその中で言うのだった。
「キラキラして」
「プリズムやな」
「このプリズムがね」
虹色に輝くそれがというのだ。
「目晦ましになってるわね」
「そやな」
メルヴィルもその通りだと頷いた。
「これが」
「奇麗だと思ったら」
「その実はな」
これがというのだ。
「迷宮のややこしさの一部や」
「そうなってるわね」
「それでや」
「この輝きに惑わされへんことね」
「この階はな、奇麗な薔薇には棘があって」
そうしてというのだ。
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