第百二十話 客家その十二
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「こうしてお話も出来るのよ」
「客家とかヒャッポダとか」
「そうよ、あと昔は風土病もね」
これもというのだ。
「多くてね」
「亜熱帯だからね」
「それで衛生管理もかなりね」
「日本が統治していた頃から問題になっていて」
「徹底しているのよ」
「今もよね」
「そうした地理的なこともね」
台湾のというのだ。
「知って欲しいのよ」
「台湾の人としては」
「そうよ、日本人だって日本を好きって言うだけじゃなくて」
「日本のことをよく知っていたら嬉しいわ」
「そういうことよ、皆同じなのよ」
こうしたことはというのだ。
「知っていて欲しいのよ」
「自分の国のことを」
「好きであってくれていてね」
そのうえでというのだ。
「そのことは同じよ」
「そういうことね」
富美子は台湾の娘の言葉に頷いた、そしてだった。
家に帰って姉に台湾の娘との話のことをすると姉は富美子に対して酒を飲みながらそのうえで言ったのだった。
「そうよ、その娘の言う通り知ってもらうとね」
「好きであるということ同じで」
「嬉しいのよ」
「どの国の人もなのね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「お話に出たね、台湾を好きだって言ってね」
「台湾がちょっと日本にそぐわないことしたら罵る奴ね」
「そういう奴は本当に自分だけの奴で」
そうした輩でというのだ。
「台湾の古都なんか何も知らないわ」
「やっぱりそうなのね」
「知るつもりもないし台湾が日本を好きだって言われてるから」
「好きなだけね」
「台湾にも台湾の考えがあって」
「動くわよね」
「これは人でも同じよ、誰だってその人の考えがあるから」
それでというのだ。
「その人の思い通りに動くこともね」
「ないわね」
「何でも自分の思い通りに動くかっていうと」
「その筈がないし」
「だからね」
それでというのだ。
「お友達にもね」
「そう思うわね」
「相手のことを知ろうともしないで」
それでというのだ。
「自分の思い通りにならないとね」
「悪く思って言いだすのね」
「そうするに決まってるわ、ただそんな奴は大抵何の力もないから」
「ないの」
「そう、そもそもお友達がいるかもね」
そう思う様なというのだ。
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