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第百二十話 客家その九

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「知っていって」
「無闇に嫌ったりしないのね」
「相手のことも考えて」
 そうもしてというのだ。
「ちゃんと接するってね」
「言われたのね」
「お姉ちゃんはその時台湾のお話しなかったけれど」
 そうであったがというのだ。
「世の中のことをね」
「教えてくれたのね」
「そうだったのよ」
 こう台湾の娘に話した。
「そんな奴は下らなくて」
「進歩しなくて」
「それで声だけ大きくて」
「実は少ないのね」
「それで碌なことしないってね」
 姉の言葉を思い出しつつだ、富美子は言った。
「言ってたわ」
「碌でもない奴は碌でもないことをする」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「醜いことをするってね」
「言われたのね」
「小悪党で」
 そうした輩はというのだ。
「悪い奴でも大物はね」
「でっかいことするわね」
「そうするけれど」
 しかしというのだ。
「小悪党は自分の為だけにね」
「悪いことをして」
「主義主張もなくて」
 そうであってというのだ。
「自分の為だけに動くから」
「せこくなりそうね」
「そして他人のことはどうでもいいから」
「自分以外の人は」
「他のものもね、私利私欲だけで」
 それのみで動いてというのだ。
「何でもするから」
「それで悪事もなのね」
「醜いってね」
「吐き気を催す邪悪って」
 台湾の娘はこの言葉をここで出した。
「結構ね」
「小悪党多いでしょ」
「大物ぶっていてもね」
「若しくは自分がそう思っているわね」
「けれどその実は」
 どうかというと。
「本当に小物で」
「醜い悪事するわね」
「自分の為だけにね」
「他の人を利用して騙してね」
「蹴落としてね」
 そうしたことをしてというのだ。
「碌なことしないわね」
「大物は悪党でも」
 例えそう言われる者でもというのだ。
「理念とかあってね」
「潔さとかあるわね」
「けれど小悪党は」
 そうした輩はというのだ。
「そんなものなくて」
「自分の為だけに動いて」
「自分さえよければいいから」
 心底そうした考えであってというのだ。
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