第百二十話 客家その五
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「多民族国家なのよ」
「そうよね」
「私達客家もいて」
「少数民族の人達もいて」
「それでね」
そうした状況でというのだ。
「多民族国家なのよ」
「一口に台湾といっても」
「色々あるのよ、あと日本の統治時代の名残が」
これがというのだ。
「今もね」
「残ってるわね」
「そうなの」
こう話した。
「高雄にもね、大学もね」
「台北大学とか」
「あるしね」
日本時代に開校した大学がというのだ。
「あるのよ、それで野球でも」
「郭源治さんの」
「日本から来る人結構いるし」
「監督さんとかコーチで」
「現役でもね、縁深いわよね」
「日本と台湾って」
「そうよね、ただ気を付けてね」
台湾の娘はここで富美子にこうも言った、見ればその顔は明るいものから神妙なものに変化している。
「山に入ったら」
「あれでしょ、毒蛇でしょ」
「ああ、そのことも知ってるわよね」
「聞いてるから」
富美子はこのこともと答えた。
「だからね」
「台湾って暑くて」
気候的には亜熱帯に属する、蛇には快適な気温であるのだ。
「しかも山だとね」
「草木が鬱蒼としていて」
「もう蛇がいるには最適だから」
そうした地域だからだというのだ。
「蛇自体が凄く多くて」
「毒蛇も多いのよね」
「だからね」
「山に気軽には入られないわね」
「若し入ったら」
その時はというのだ。
「本当に注意してね」
「噛まれたら大変よね」
「ヒャッポダとかいるから」
「猛毒持ってるわね」
「動物園にもいるけれど」
八条学園の敷地内にある八条動物園である、日本屈指の規模を誇る動物園であり様々な生きものが飼育されている。
「あの蛇はね」
「猛毒持っていて」
「何しろ噛まれて百歩歩いたら」
「死ぬっていう位よね」
「物凄く強い毒を持っているから」
「だからヒャッポダよね」
「そう呼ぶのよ」
こう富美子に話した。
「あの蛇はね」
「そこまで危険なのよね」
「そうよ、だからね」
そうであるからだというのだ。
「本当にね」
「注意しないと駄目ね」
「蝮よりもね」
日本の毒蛇の代名詞となっているこの蛇よりもというのだ。
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