暁 〜小説投稿サイト〜
夢幻水滸伝
第三百三十八話 幻術師の活躍その十二

[8]前話 [2]次話
「お肉もです」
「食べられてますか」
「それも広く」
 そうだというのだ。
「そうなっています」
「そうなんですね」
「それで美味しいですね」
「かなり。お酒にも合います」
 赤ワインを飲みつつ答えた。
「ほんまに」
「それは何よりです。それではご返答は」
「後日ですね」
「お聞かせ下さい」
「わかりました、ただ平和であってこそ」
 ミニーは駝鳥の卵のオムレツをさらに食べつつ言った。
「こうしたものも食べられますね」
「平和でなければ」
 貴婦人も確かな顔と声で答えた。
「家畜を飼育することもです」
「出来ませんね」
「産業自体が成り立ちません」
「その産業があってこそ豊かになりますね」
「人も街も村もそうであって」
 そしてとだ、貴婦人はさらに話した。
「それにです」
「このユヤ州もそうですね」
「駝鳥で生計を立てている人もいます」
「そうした人達が暮らせる様にするには」
「企業の経営だけで充分か」
「そのことも考えることですね」
「そう思われますね」
 ミニーを見てだ、貴婦人は微笑んで述べた。
「今は」
「はい、ほなです」
「お考えになって下さい」
「そのうえで決めます」
 貴婦人に答えてだった。
 ミニーはメインの駝鳥の腿肉のローストも食べデザートのアイスクリームもワインも満喫した。そうしてだった。
 数日後ミニーは自分から貴婦人の屋敷を訪れて彼女に告げた。
「州の棟梁にならせてもらいます」
「決断されましたね」
「ずっと考えましたけど」
「企業経営ではですね」
「ユタ州を救うだけでもです」
「足りませんね」
「政で」 
 そちらでというのだ。
「やっていってこそです」
「このユタ州を救えますね」
「はい」
 まさにというのだ。
「そう結論が出ました」
「わかりました、ではです」
「旗揚げをですね」
「宣言されて下さい、そして」
 貴婦人はミニーに微笑んで話した。
「即座にです」
「州全体を治める官僚組織の立ち上げですね」
「そちらをお願いします」
「そしてそこに人を入れていきますね」
「そうされて下さい」
「ほなそうしていきます」
「ではこれからお願いします」
 貴婦人はミニーにあらためて告げた。
「このユタ州ひいてはです」
「この世界をですね」
「救って下さい」
「そうしていきます」
 ミニーも約束した、その返答だった。
「必ず」
「期待しています、そして」
「そして?」
「私は今残念に思っています」
 実際にそうした顔になってだ、ミニーに言うのだった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ