第七話 同居のはじまりその十
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「そうしたお酒もなのよ」
「ありかねないのね」
「スカトリともいったそうね」
真昼はこの言葉も出した。
「ちょっと飲んだら死ぬのよね」
「メタノールが入っているから」
「そのせいでね」
「そんなお酒飲めないわね」
「そうしたお酒があったりね」
妹に今はろぜを飲みながら話した、姉妹で酒がかなり回って来ていてそれぞれ顔が真っ赤になっている。
「するしね、そもそも食べものがね」
「ないのね」
「何か病気で死んだ牛の肉売ったらね」
そうすればというのだ。
「軍事裁判で死刑らしいし」
「えっ、それ死刑になるの」
「そうみたいよ」
「いや、何でよ」
夜空は本気で全くわからず姉に問い返した、顔にもその感情が出ている。
「訳わからないわよ」
「牛肉売って死刑ってね」
「密売?闇市場とかで」
「いや、そうのでもないのよ」
「お店で売ってないにしても」
「ないわよね」
「宗教的な理由も」
それもというのだ。
「ヒンズー教でもないし」
「あちらはね」
「それで何で死刑になるのよ」
「何でも牛は農業に使うからよ」
「あそこにトラクターある筈ないしね」
「軍隊にばかり力入れてるからね」
「それでも死んだ牛でしょ」
その肉だというのだ。
「別にね」
「密売でもよね」
「死刑になることじゃないでしょ」
「けれどなったのよ」
「カンボジアだと林檎盗んだ子供が死刑になったそうだけれど」
ポル=ポトの頃のことだ、こうしたところにもポル=ポトの異常極まる政治が出ていると言えるだろう。
「そのレベルね」
「そうよね」
「ないわ」
夜空はコーラのサワー、アルコール度は九パーセントあるそれを飲みつつ言った。
「それはね」
「こんな国いたくないわね」
「間違ってもね」
「それで将軍様だけはね」
「丸々太ってるわね」
「ご馳走食べ放題でお酒もね」
「飲み放題ね」
姉に実に嫌悪に満ちた顔で言った。
「そうよね」
「前の将軍様はお寿司とメロン大好物だったそうだし」
「あの人も太ってたわね」
「そうでしょ、今私達お寿司食べてるけれど」
「それも食べ放題ね」
「こうした回転寿司じゃなくてね」
そちらのデリバリーではなくというのだ。
「専属の職人さんが握った」
「ふざけてるわね、国民の人達餓えていて」
「ちなみに国家財政五分の一が将軍様個人の贅沢費よ」
そして四分の一が軍事予算である、合わせて四十五パーセントである。
「単純に計算して日本の宮内庁の予算以上みたいね」
「余計に酷いわね」
「あの、だとしますと」
白華はここまで聞いて目が点になって言った、白華も酔いが回っていて白い肌が完全に空かくなってしまっている。
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