第三部 1979年
孤独な戦い
匪賊狩り その5
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室史上初の退位に、世人は混乱し、帝室の永続を危ぶんで、自決する者も少なくなかった。
三面には、一昨日の晩に起きたワデズドン・マナーの火事と、その館の主人の逝去が小さく載った。
首相及び情報部長の逝去は、英国王退位の報道にかき消されてしまった形となった。
マサキは、スチュワーデスから手渡されたデイリー・テレグラフを受ける。
1日遅れの記事を読みながら何食わぬ顔で、国際線の機内にいた。
今回の日ソ会談では、何の成果もなかった。
手に入れたものは、精々、アイリスディーナに手渡す土産と、インド旅行のどうでもいい話位である。
ただ、世界を二分する金融資本家の一人を抹殺したことが成果と呼べるものであった。
これで、アイリスディーナが夢と描くドイツ統一の邪魔になる勢力は、いくらか減らせた。
『アイリスに、このことを話しても信じまい』
マサキは、年下の恋人の事を夢想しながら、相変わらず紫煙を燻らせるのであった。
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