第二章 宿星〜煌都の麒麟児〜 外伝〜煌都ラングポート〜
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
メンフィル帝国領・南カルバード州・煌都ラングポート――――――
〜東方人街・華劇場〜
メンフィル帝国領である南カルバード州の湾岸都市にして多くの東方人達が集まるカルバードの”三大都市”の一つ――――――煌都ラングポートの東方人街にある華劇場で東方風の華美な服を纏った女性らしき人物が東方風の演奏に合った双剣による剣舞を舞い、剣舞を終えると観客達は拍手喝采を送った。
「うおおおおおおおおおっ!!」
「アーローン!!」
「こっち向いてえええっ!!」
拍手喝采の中観客達の声に応えるかのように女性らしき人物が顔に被っていた女性のマスクを脱ぐと真紅の髪の青年の顔が現れた!
「キャアアアアアアアアッ!!」
顔を顕にした青年の顔を目にした観客の女性は歓声を上げた。すると青年は再び女性のマスクを被って他の観客達に視線を向けた。
「おおおおっ!!」
「あざとすぎだろ!もっとやれー!!」
青年の行動に観客達は再び歓声を上げて拍手をし続けていた。
「……まったく、調子に乗っちゃって。」
「フフ、それがアーロンの短所でもあり、長所でもあるのだから困ったものよね。」
観客席からその様子を見守っていた黒髪の東方人の娘と薄紫の髪の女性はそれぞれ苦笑し
「さすがは羅州の小覇王。幼馴染や姉兼育ての母としても鼻が高いのでは?」
二人の中央に座っていた眼鏡の男性――――――チョウは感心した様子で青年を見つめながら二人に指摘した。
「ふふっ、それなりにはね。」
「うーん、義理人情に厚く根が真っ直ぐで多くの人達を惹きつける子に育った事は私にアーロンを託してくれたユエファにも誇れるけど、口が悪い事や下品な事を平気で口にする子に育ってしまった事にはユエファには申し訳ないわね……」
チョウの指摘に娘が同意している中女性は困った表情で答え
「アーロンは元々ああいう性格だから、マティ姉さんが責任を感じる必要はないわよ。それに前者はともかく、後者の性格に関してはアーロンくらいの年齢の男は大抵そんなものよ。」
「ハハ、同じ男性として耳が痛いお言葉ですね。」
女性に対してフォローの言葉を口にした娘の話を聞いたチョウは苦笑しながら呟いた。
「あっ、私が例に出したのはあくまでそこらの男の話で、チョウは違うからね!?と、とにかく今夜の公演、無事終わってよかったわ。少しはアイツの”熱”も発散できたんじゃないかしら?」
慌ててチョウにフォローの指摘をした娘は気を取り直して青年を見つめ
「ええ、そうですね――――――(……まあ、そうもいきませんか。)」
娘の言葉に頷いたチョウだったが自身のザイファにメールが来てその内容を確認すると内心では溜息を吐
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ