第二章 宿星〜煌都の麒麟児〜 外伝〜煌都ラングポート〜
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屋、どう見ても貴族やVIPクラスが使うような超高級部屋じゃねぇか。」
「フッ、さすがは”黒月”最大の派閥の次期長だけあって、太っ腹ですねぇ。」
ホテルの客の中でもVIPクラスの客が使う最高クラスの部屋を使用するように申し出たファンの申し出に驚いたクロウは周囲を見回し、アンゼリカは静かな笑みを浮かべてファンを見つめて指摘した。
「ハハ、君達も知っているように我々”黒月”はメンフィル帝国とは協力関係を結んでいるからね。そんなメンフィル帝国の協力者であり、”黒月”にとっても敵である”アルマータ”撲滅の為のメンバーである君達に私ができるせめてもの協力だよ。ただ、可能ならば”アルマータ”について何かわかったり、動きがあれば”黒月”にもすぐに知らせて欲しいかな。」
「…………わかりました。何かわかれば、可能な限り迅速にそちらにも報告します。」
アンゼリカの指摘に苦笑しながら答えた後に頼んできたファンの頼みに少しの間黙って考え込んだクレアはファンの頼みを了承し
「ありがとう。――――――それでは私はこれで失礼するよ。」
クレアの答えを聞いて感謝の言葉を口にしたファンはソファーから立ち上がると退室した。
「フム……”黒月”の事は師匠もそうだが、ジンさん達からも何度か耳にしていたが……その噂の組織の大物の割には意外と協力的で話しやすかった人物だね。」
「ああ……だが、さすが”黒月”の大物だけあって、とんだ狸野郎だぜ。」
「……クロウさんは気づかれましたか。」
ファンが去った後ファンの事について感想を口にしたアンゼリカに続くようにクロウは真剣な表情で呟き、クレアは静かな表情で呟いた。
「?それはどういうことだい?」
「あのオッサンは”この部屋を自由に使っていい”って言ったが、それはつまりメンフィル・クロスベル両帝国の意向によってラングポートでしばらく活動する俺達に”拠点を提供する事”でメンフィルやクロスベルに対して”黒月もAの捜査協力をしたといいう理由”になって、両帝国――――――いや、メンフィルも”A”の捜査に関して黒月の手勢も使えみたいな事は言いにくくなるだろう?」
「加えてファン氏はこのホテルの支配人でもある事に加えて、ホテルの従業員の内の数割は間違いなく”黒月”の関係者でしょうから我々の動きを監視する事も容易になります。現にホテルの受付の方も私が”エースキラー”のメンバーである事を知ると、ファン氏に確認を取ったでしょう?」
二人の話の意味がわからず首を傾げて訊ねたアンゼリカにクロウと共に説明したクレアはある事をアンゼリカに指摘した。
「言われてみれば”エースキラー”の名は一般市民に知れ渡っていないから、単なるホテルの従業員が”エー
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