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夢幻空花(むげんくうげ)
七、 夢を見るといふことはそもそも特異点の存在を暗示させるものである
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形の吾ども、若しくは化け物の吾どもが常態であるといへなくもないことになる。つまり、特異点では、存在が化け物になるといふことであり、夢魔の生贄として分裂した私が差し出されるのは化け物の私であるといふことになる。夢場では存在は実のところ、現実相を喪失してゐて、つまり、質料と形相を最早失ってゐて、それはアインシュタインの特殊相対性理論のE=MC2により質料と形相を喪失した存在はEnergy体へと変化してゐるといふことで、それは詰まる所、私は、光り輝く化け物として、喩へていふなれば、巨大な巨大な巨大な人魂のやうなものとして私は夢場、即ち特異点に存在してゐるのかもしれぬのだ。そして、夢とはその巨大な巨大な巨大な人魂が映す影絵の如きものに違ひない。それを分裂した私は分厚いアクリル板の巨大水槽の夢場外でちんけな装置と冷笑してゐるのだ。同語反復になるが、夢場には巨大な巨大な巨大な人魂と化してゐるであらう私の光が映す夢幻の影絵が見えてゐるだけなのかもしれぬ。
 さうすると、闇尾超の謂ふ夢を見られるといふことは特異点の存在を暗示してゐるといふことに繋がり、一応辻褄が合ふことになる。無理強ひもいいところであるが、確かに夢は特異点の存在を暗示させる造りになってゐるのかもしれぬ。

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