第百十九話 他の国から見ればその十
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「日本語に変えてね」
「私と話してるのね」
「そうよ、日本に来て長いけれど」
そうであるがというのだ。
「考えるのに使ってる言葉はね」
「スペイン語なのね」
「他の子はどうか知らないけれど」
それでもというのだ。
「私はね」
「考えることに使う言葉はスペイン語ね」
「そうなの」
「そうなのね」
「日本語で考えるのは」
一華に眉を曇らせて話した。
「難しいわ」
「そんなに難しい?」
「私にとってはね」
「そんなに難しいのね」
「日本語自体が難しいから」
それでというのだ。
「読み書きは出来ても」
「考えることはなのね」
「まだ無理よ、ただ今言った日本のことはね」
「差別のこと?」
「凄くいいわ、バスク人の血を引いていてカトリックでもね」
そうした立場でもというのだ。
「それで、で終わりだから」
「欧州と違って」
「まあスペインでも中南米でもバスク人でも酷い差別受けないけれどね」
「現実としてそうなのね」
「外見でわかるところあって」
バスク人ならというのだ。
「言葉は独特でも黙っていたらね」
「わからないのね」
「ええ、ただカトリックはね」
宗教のことはというのだ。
「隠せないからね」
「宗教って出るからね」
「国によっては揉めるから」
「今もなのね」
「流石に迫害まではいかないけれど」
今はというのだ。
「やっぱり特異な目でね」
「見られるのね」
「日本じゃ神父さんと牧師さんの違い知らない人もいるでしょ」
「カトリックが神父さんよね」
「プロテスタントが牧師さんよ」
「それぞれ違うわね」
一華もこのことは知っていた、尚ここに正教もあり正教は正教で聖職者の在り方が独特であるのだ。
「そうよね」
「その違いも知らなくていい位ね」
そこまでというのだ。
「キリスト教なら同じって考えるけれど」
「欧州じゃ違っていて」
「戦争にさえなったから」
宗派が違うという理由でだ。
「宗教で差別なかったり揉めないことはね」
「いいことなのね」
「うちの学園カトリックとプロテスタントの教会あるでしょ」
一華にこのことも話した。
「神社もお寺の天理教の教会も」
「モスクもあるわね」
「それでキリスト教の方もあるわ」
「それで揉めないでしょ」
「神父さんと牧師さん仲よしよ」
「一緒にお酒も飲むわね」
「お寺の住職さんや神社の神主さんも入れてね」
そうもしてというのだ。
「そこに天理教の教会長さんも入れて」
「神父さんと牧師さんが仲いいなんてこともね」
「欧州ではなのね」
「歴史見たら凄いことだから」
欧州のそれをというのだ。
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