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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第194話:アダムの慟哭
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生み出される万能の結晶。それがあれば、アダムが望む存在にもなれるのではないかと。
自身が人形である事に当時のアダムは未練など無かったので、彼は喜んでこれに賛同した。彼は当時自身について来ていた者達をワイズマンが指定した場所に集め、その者達の想いを魔法で凝縮し賢者の石を作ると教えられた。
『大丈夫なのかい、そんな事をして? 簡単じゃないよ、想いを集めるのは』
『何、心配はいらないさ。想いを一か所に集める、ただそれだけの事。そこに不利益など起こらないよ』
その時のアダムは盲目的にワイズマンの事を信じてしまっていた。だから気付かなかった。彼が胸の内で、アダムの事を嘲笑っていた事を。
結果、アダムが集めた人々は自身の内側の魔力の暴走を抑える事が出来ずその身を砕き散らされ、絶望と苦痛の果てに命を落とした。残されたのは嘗て人々だったものと、彼らの忘れ形見の様に輝く一つの魔力を帯びた宝石だけ。
『ふむ、素質ある者を集めた訳だが……結果はこれか。まぁ、これが手に入っただけでも良しとするか』
『こ、これは……どう言う事なんだッ!? 言ったじゃないか、彼らは大丈夫だとッ!? なのに彼らはッ!?』
『あぁ、己の力を制御できればね。そうすれば彼らは魔法使いとなり、死ぬような事は無かったんだ。こんな事になってしまって、残念だよ』
『……騙したのか、僕を……自分の目的の為だけにッ!?』
嘗てない怒りに震えるアダムを、ワイズマンは手にした賢者の石を弄びながら鼻で笑った。
『ハッ、この程度の演技にも気付けないなど……完璧が呆れるな。いや? 完璧だから、か? 成長の余地があれば、或いは気付けたのかもしれないがな』
『貴様ぁぁぁぁぁぁッ!!』
自身を嘲笑うワイズマンに、アダムは激昂し黄金錬成を放った。それ自体はいとも容易く躱されたが、その際に出来た隙を突く形でアダムはワイズマンの顔面を思いっ切り殴りつける。
『グッ!?』
『貴様は、貴様だけはッ!?』
『チッ、人形風情が……!』
『死ねぇぇぇぇぇッ!!』
『チィッ!?』
アダムの全力の錬金術に、当時のワイズマンも堪らずその場から姿を消した。後に残されたのは焦土となった大地と、その中で煌々と輝く賢者の石のみ。アダムはその賢者の石を手に取ると、握り潰さんばかりに力を込めつつ誓いを口にした。
『許さない……許さないぞ、魔法使い……! いや、明星 明宏……! 貴様の様な悍ましい血族、僕が何時かこの世から消し去ってやる……!』
***
「させないよ、邪魔建てはッ!」
「くッ!?」
アダムは嘗ての恨みを晴らすが如く、錬金術でワイズマンを振り払った。その際にワイズマンの手から神の力が宿った左手が離れ、空中で形を変えていった
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