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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第194話:アダムの慟哭
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れると思っていたのに、待っていたのはこれだ。望んだ結果、望んだ光景が見られなかった事にワイズマンは子供の様に怒りを露にした。
「〜〜〜〜、あんな面白味のないもの…………ッ!」
ふとワイズマンが上空を見上げれば、そこには先程響から解き放たれた神の力がまだ行き場を失った状態で漂っていた。その神の力が、突然一か所に集まり出す。
そこには、空間に空いた穴から出た人形の片腕……即ちアダムの片腕に神の力が集まっているのが見て取れた。
「よし、良いぞ……! 今度こそ、神の力を、僕の手に……!」
「……フフッ!」
それを見たワイズマンは、仮面の奥で笑みを浮かべた。
大方アダムは、この乱戦の最中に隙を見て神の力を回収するつもりだったのだろう。ただ戦いがあまりにも激しく、迂闊に動けば逆に邪魔が入ると思い何も出来なかっただけなのだ。だが今、颯人がレギオンファントムを倒した事で周囲が一時的にだが静かになった。今の内に神の力を回収しようと、彼は遂に行動を起こした。
それは悪くない考えだったが、同時に悪手でもあった。彼は多少リスクを冒してでも、全員の意識が別々の方へ散っている間にさっさと神の力だけを回収してしまうべきだったのだ。
全ての神の力がアダムの左腕へと集まった。それに彼が歓喜していると、その傍へ転移したワイズマンが神の力が宿った左腕を掠め取る様に奪い取った。
「ご苦労だったな、アダム? だがこれはお前のような完全と言う名の失敗作には無用な代物だ。私が貰おう」
「貴様ッ!? また僕から奪うのかッ!?」
「ハッ! 人形は人形らしく、生者の道具として使われたまえよ。あの時の様にね」
***
嘗て、アダムとワイズマンには交流があった。
予
(
かね
)
てより神とされた存在、アヌンナキへと複数する為に。
だが計画を進めて数百年が経つ頃、偶然にも出会ったワイズマンはそんな彼を諭したのだ。
『真の完璧など存在しないさ。今君は、自身の境遇を憂い、理不尽に怒りを覚えている。本当に完全無欠であれば、それすらも受け入れられるのではないかね?』
ワイズマンのその言葉は、当時のアダムにとって青天の霹靂であった。またく予想もしなかった言葉。完璧であるが故に至らなかった考えを諭され、その時のアダムは感動すら覚えていた。
それから彼らは幾度か交流した。生憎と魔法使いと錬金術師の確執は当時から大きく、あまり表立っての交流は出来なかったがそれでも当時アダムはワイズマンを……明星 明宏の事を世界で唯一の友人だと思っていた。
だがその友情は、最悪の形で裏切られた。
ある日アダムはワイズマンに真の賢者の石の情報を齎された。多くの人々を集め、その想いの力を一つにする事で
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