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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第194話:アダムの慟哭
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製法の中で唯一名称以外の記述が存在しない指輪があったんです。それがインフィニティ―スタイル』
「特筆すべきは見ての通り、あの圧倒的な防御力。数少ない記述からの知識だが、あれはファントムの魔力が結晶化したアダマントストーンによるものに違いない」
『尤も確認できるだけで僅か数件しか散見されないので、必ずしもあれがインフィニティ―の力であるとは断言できません。何しろあの力は、自身の内に存在する魔力……即ちファントムの力を完全に制御化に置いた状態ですから、個人差で能力に違いがある可能性もあります』
交互に今の颯人の力を分析する輝彦とアリス。その勢いに若干気圧されそうになるサンジェルマン達だったが、兎に角今の颯人が尋常ではない位の防御力を持っている事は分かった。
「だが、それだけの防御を実現するには相当の魔力を消耗するワケダ。だとすればあの姿、あまり長時間維持する事は不可能では?」
「いや、そうでもない。言っただろ? 今の颯人は魔力を完全に制御化に置いている。つまり、使用した魔力はそのままあいつ自身が再吸収・還元する事が可能なんだ。つまり……」
「つまり……実質無制限に魔法を使いまくれるって事ッ!?」
「なんと……!」
無論、失われた魔力が回復する訳ではないので完全無欠と言う訳にはいかないが、少なくとも普通に戦っていれば彼は魔力の消耗を気にすることなく戦う事が出来た。
圧倒的防御力とそれを支える半永久機関じみた魔力。それを自在に駆使して戦う彼の姿は正しく希望を担う魔法使い。
「今、颯人は自身の魔力の全てを100%使いこなせる、全ての魔法使いを凌駕する域へと達した。最早今の颯人に、敵は居ないッ!」
輝彦の声が高らかと響き渡る中、颯人は左手を再びハンドオーサーの前に翳した。
〈インフィニティ―!〉
ベルトから音声が響き渡り、颯人が構えを取った。次の瞬間、颯人が目にも留まらぬ速度で動き一瞬でレギオンファントムを切り裂きながらその背後へと回った。
「うぉっ!?」
「は、速ッ! 何あの速度ッ!」
「何が起きたのッ!」
「なんか、颯人さんだけ早回しで動いてるみたいデスッ!」
切歌の見立ては概ね正しい。インフィニティ―スタイルの能力は先程輝彦達が述べた圧倒的防御力と自信の魔力の再吸収による無制限の魔力、そして今の時間干渉による高速移動。以前颯人と戦ったグレムリンも同様の能力を持つ指輪で彼を翻弄したが、彼はそれと同じ事をより少ないコストで行う事が出来るようになったのである。
光の軌跡だけを残して次々と切りつけていく颯人に、レギオンファントムも思わずその場に膝をつく。そこで颯人は徐にアックスカリバーを上下逆に持ち替えた。
〈ターンオン!〉
持ち替えるとその見た目は剣から斧へ
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