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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギアAXZ編
キャロル誕生日特別話:眠れる王子を起こす姫
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ある日の朝、キャロルはなかなか起きてこない同居人の少年の部屋を訪れていた。もうとっくに朝日は昇り、朝食も出来ているというのに起きてこない彼に若干呆れながらも、彼女は僅かな緊張感を胸に彼の部屋の扉をノックした。
「ハンス〜? 起きてる〜?」
返事はない。試しに扉に耳を当てて聞き耳を立ててみたが、人が動く気配は感じられない。さらに注意して聞き耳を立ててみれば、室内からは規則正しい寝息の様なものが聞こえてきた。どうやらこの部屋の主はまだ夢の中らしい。その事にキャロルは安堵したような不満を感じたような溜め息を吐くと、思い切ってドアノブに手を掛け扉をゆっくりと開いた。部屋の中に居る人物を起こさなければならないのだから、もっと勢いよく開けてもいい筈なのだが、何故かキャロルはベッドの上で夢の中に居る人物を起こさない様にするように慎重に扉を開け中に入った。
「ハンス〜?」
声を潜めて部屋の主……キャロルと彼女の父・イザークの家に居候している少年であるハンスの名を呼ぶが、相変わらず返事はない。ベッドの上を見れば、そこには案の定穏やかな顔で寝息を立てているハンスが居た。キャロルは朝食の時間になってもまだ起きてこない彼を見ると、窓のカーテンを開け、ベッドの上で掛布団に包まり寝息を立てるハンスの顔を覗き見た。
「ハンス〜、起きてよぉ。もう朝ご飯出来てるよ?」
「ん〜、もうちょっと……」
キャロルが軽く彼を揺すると、彼は朝日から逃れるように寝返りをうった。キャロルは部屋の内側に体を向けた彼の前に回り込み改めて彼の寝顔を至近距離から見た。
「もう、ハンスってばぁ!」
「ん〜……」
このままだと折角作った朝食が冷めてしまう。その前に起きてもらわなければと先程に比べて強めに揺するのだが、彼は一向に目覚める気配が無かった。共に暮らす様になってから早数か月。ここに来た当初に比べれば遥かに穏やかな顔をするようになった彼にキャロルは安心すると共に、このままだと困ると唇を尖らせた。
「ハンス、朝ご飯冷めちゃうよ〜?」
「んん……もう、少し……」
「相変わらずお寝坊さんなんだから……」
共に暮らす様になってからすっかりお寝坊さんとなってしまったハンスに、キャロルはまるで手の掛る弟が出来たような気分になっていた。実際には同い年の筈だし起きてさえいれば頼れるのだが、何故寝起きだけは悪いのかと溜め息を吐いた。
そして彼女はふと思った。これでは眠り姫ならぬ眠り王子だ……と。
「……御伽噺だと、眠り姫は王子様のキスで起きたんだよね。なら、眠り王子は…………」
無論、ハンスは別に呪いで眠り続けている訳ではない。純粋に寝起きが悪くて起きれずにいるだけなのだが、それは今重要な事では無い。
今大事なのは、彼が眠ってばか
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