暁 〜小説投稿サイト〜
星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
第八十一話 戦い、その後
[1/10]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
帝国暦485年4月18日11:50
ボーデン宙域(ヴィーレンシュタイン方向)、銀河帝国、銀河帝国軍、
マッケンゼン艦隊旗艦マルクグラーフ、
ヨッヘン・フォン・マッケンゼン

 我々の練度不足が全てにおいて悪影響を及ぼしている。なんとしてもヒルデスハイム艦隊を救わねば…。
「閣下、ヒルデスハイム艦隊旗艦ノイエンドルフ、被弾…との報が」
「何だと…両翼と対峙する敵はまだ撃破出来ないか」
「残念ながら…申し訳ございません」
このままでは……。
「参謀長、中央部のみ前進だ。ヒルデスハイム艦隊を救うぞ」
「そ、それでは両翼は」
「敵を引き付けておく、と考えればよい。現実を見るのだ、ヒルデスハイム艦隊を救わねば、生きて帰れたとてその先どうなるか分からぬぞ」
「は、はっ!…中央前進!」


宇宙暦794年4月18日11:10
自由惑星同盟軍、第十三艦隊、ダグラス分艦隊(臨時編成)旗艦ムフウエセ、
マイケル・ダグラス

 「敵中央、突出します!」
おいおい…両翼の味方を置いて前に出て行こうってのか?…
確かにこのままじゃ敵さんはヒルデスハイム艦隊を救えないが……くそっ、俺とワイドボーン先輩だけじゃ敵中央は止められねえ…。
「し、司令、三時方向に新たな熱源…多数です」
「何だと?スールズ、敵か?」
「これは…第九艦隊です!…通信を受信しました…『我レ、第九艦隊。遅レテ済マヌ』以上です!やりました!……ワイドボーン分艦隊よりの通信を受信…『我レ九時方向ヨリ第十一艦隊ノ接近ヲ確認。コレヨリ本隊ニ合流スル』以上です」
勝った…勝ったぞ。
「よし、俺達も本隊に合流するぞ。艦隊右三十度変針。現座標を離脱する」



4月19日9:40
ヴィーレンシュタイン中域、銀河帝国、銀河帝国軍、ヒルデスハイム艦隊旗艦ノイエンドルフ、
ラインハルト・フォン・ミューゼル

 ここは…俺の部屋か…。
「気がつかれましたか、ラインハルト様」
額に包帯を巻いたキルヒアイスが、俺の顔を心配そうに覗き込んでいる…そうだ、直撃を受けたのだ、戦闘は…!
「我々は離脱に成功しました」
「そうか…マッケンゼン艦隊も無事か?」
「我々を逃がす為に殿を務め…残念ながら…全滅しました」
「全滅…全滅だと?」
目が覚めたばかりだというのに、目の前が真っ暗になりそうな現実だった…。
「俺は、昏倒していたのか。ヒルデスハイム伯は」
「直撃の衝撃で転倒なされて…軍医の話だと後頭部を強く打ち付けた様なので、目が覚めるまで起こすな、と…ああ、伯爵はご無事です。打撲傷と左腕を骨折なさってはおりますが…」
「何…伯は自室か」
「はい。今は自室にて静養中です。艦隊の指揮は私とミッターマイヤー大佐、ロイエンタール大佐が執っています」
見るとキルヒアイス
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ