第三百三十八話 幻術師の活躍その四
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「こうした能力も使えば」
「冒険者になってもですね」
「かなりのことが出来ますさかい」
そう考えられるからだというのだ。
「まずは冒険者として」
「はじめられますか」
「そうします、とりあえず生計を立てへんとです」
さもないと、というのだ。
「どうにもならへんので」
「だからですね」
「まずは冒険者として生きます」
「あの、冒険者はです」
オーナーはミニーの話をここまで聞いて彼女に話した。
「生活が不安定なので」
「大変ですか」
「兼業されてはどうでしょうか」
「兼業ですか」
「探偵なり何でも屋をです」
そうした仕事をというのだ。
「されてはどうでしょうか」
「そのことですか」
「はい、どうでしょうか」
「そうですね、生計を立てるには」
ミニーは腕を組んで考える顔になって答えた。
「何かとです」
「必要ですね」
「そうですね」
「ですから」
「冒険者一本でいくよりも」
「そうしたお仕事を兼業されては」
「それでは」
ミニーも頷いた、そうしてだった。
実際に冒険者を行う傍ら美容院の隅に場所を借りて何でも屋をはじめた。
「いや、住むお部屋も紹介してもらって」
「いえいえ、当然です」
オーナーは自分の店の隅の席にいるミニーに答えた。
「折角この世界を救ってくれるのです」
「それやとですか」
「これ位は当然です、むしろ」
「むしろ?」
「安い粗末な部屋しかなくてすいません」
「いやいや、ちゃんとお風呂もありまして」
ミニーは申し訳なさそうに言うオーナーに明るく笑って返した。
「穴とかもないですし」
「いいですか」
「はい、あそこに住みまして」
そうしてというのです。
「それからです」
「ことをはじめられますか」
「そうします」
こう言うのだった。
「お家は」
「そうですか」
「そしてです」
ミニーはさらに話した。
「実はさっき冒険者ギルドに登録しましたけど」
「どうなりましたか」
「早速これはっていうクエストがありましたんで」
それでというのだ。
「受けてきて今からです」
「行かれますか」
「そうしてきます」
「それでお金を手に入れられますね」
「お金があれば」
それならというのだ。
「やっぱりです」
「やっていけますね」
「それだけで。ほなです」
「これからですね」
「はい、若し依頼があれば」
何でも屋の方のというのだ。
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