第百二十三話
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第百二十三話 コーヒーを飲むにも
今田先生は塾の授業の前に紅茶を飲もうとした、だがここで自身の使い魔達からこんなことを言われた。
「ご主人様は紅茶派ですね」
「日本のお茶もよく飲まれますが」
「基本はそうですね」
「紅茶ですね」
「コーヒーは飲まれないですね」
「嫌いではないですが」
コーヒーはとだ、今田先生は使い魔達に紅茶を飲みつつ答えた。
「昔は誰でも飲めなかったということがどうも」
「気になりますか」
「そうなのですか」
「ご主人様としましては」
「プロイセンでは」
今のドイツで言うと東部にあった国である、首都はベルリンだった。
「貴族以外はです」
「飲めなかったのですね」
「欧州等ではよくありますね」
「階級社会では」
「それで、です」
貴族以外はコーヒーは飲めずというのだ。
「代用コーヒーが出来ました」
「平民の人達は飲めないので」
「それで、ですね」
「コーヒーの代わりに飲むものを生み出した」
「そうなのですね」
「それがです」
代用コーヒーがというのだ。
「実は面白いことに」
「面白い?」
「面白いといいますと」
「麦茶と同じ味です」
今田先生もこのことを話すのだった。
「これが」
「そうなのですか」
「その実はですか」
「麦茶の味で」
「美味しいのですね」
「いえ、それが不評なのです」
その味がというのだ。
「プロイセンそして東ドイツでも飲まれていましたが」
「麦茶と同じ味では美味しいのでは」
「それでは」
「それもかなり」
「それが違いまして」
それでというのだ。
「ホットなので」
「ホット麦茶ですか」
「確かにそれは」
使い魔達も納得した、それはよくないと。
第百二十三話 完
2023・12・17
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