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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
自由惑星同盟の最も長い3カ月
元帥閣下たちの政争指導
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に最も激怒した一人はこの男であろう。
「……ガラティエ駐留艦隊司令部の独自研究と提言です」
情報参謀と兵站参謀が夜なべしてさらに近隣の駐留艦隊の幕僚陣(副官すらも動員された)たちと すり合わせを行い……とにもかくにもひどい目にあわされたものだ。コイツは経済学の復習じゃないか、バーラトのオフィスに戻って退役前の箔付けにしてくれないと割に合わん、とぼやく者もいたほどだ。
「君」
ヴァロル参謀総長が顔をしかめる一方でマリネッティ国防大臣は顎を引き、視線を鋭くする。
「独自と申し上げていますが、艦隊総司令部より、周辺構成邦の状況を調査したうえで研究を行うように要請を受けたものです。あくまで要請ですが、同盟の各方面における各駐留艦隊に対し発出させられております」
軍政と軍令のトップの双方がわずかに好意を見せた。よろしい、”表向き”の意味を理解し、姿勢を示した。であれば本命だ。
「なるほど、それで君達の考えは?」
ビューフォートは息を吸って、吐く。畜生、総司令部からエリートがくればいいものを。いやいや、俺達も外から見ればエリートの範囲か。そうであっても”この分野”ではなかろうに――
笑みを張り付けたまま、ビューフォートは自身の人生を護るために口を開いた。
――それでは簡単にですがご説明を。
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