第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その四十二
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「それは手工業者や農民も同じです」
「工業で働いていても」
「そしてマスコミや学者でも」
「そこは同じですね」
「だとすれば限られて来る」
好戦的な者はというのだ。
「自分の生活を考えなくていい者だ」
「若しくは考えられない様な人物ですね」
「社会にいても」
「そうした者達ですね」
「それは愚か者という」
カミュは持ち前の辛辣な批評も出した。
「自分達の生活が考えられないなぞだ」
「まさにですね」
「愚か者ですね」
「戦争が起これば自分達がどうなるか考えられない」
「そうした者達は」
「戦争を最も嫌うのは軍人だ」
まさに戦うべき彼等だというのだ。
「軍人は自分達が戦場に出るのだ」
「そして命を賭ける」
「そうなるからですね」
「必然的にですね」
「軍人が一番戦争を嫌いますね」
「今は徴兵制はないが」
エウロパも志願制である。
「自分達が戦争に行かないから言うのもな」
「愚かですね」
「他人が戦争に行くのならいい」
「そうした考えを持っているのなら」
「私はそうした考えの持ち主は軽蔑する」
心からというのだ。
「まさにな」
「唾棄すべきですね」
「そうした考えの持ち主こそ」
「まさにですね」
「そうだ、他人の痛みをわからない輩なぞだ」
それこそというのだ。
「生きる価値がない」
「全くですね」
「それがどういった者であれ」
「碌でもない輩です」
「相場が決まっています」
「そうした輩こそ戦場に行ってだ」
例え軍事訓練を受けたことがなくともというのだ、宇宙の時代の宇宙で戦う様な軍事技術を学んでもいなくともというのだ。
「まさに戦場で戦う軍人達の盾となればいい」
「そうして死ねばいい」
「そうお考えですね」
「首相としては」
「心から思う、その様な下衆はだ」
まさにというのだ。
「生きる価値がない」
「戦争になれば自分がどうなるかわからない」
「その生活がどうなるかすらも想像出来ない」
「そして他者に戦場で戦えと言える」
「自分は行かずそう言えるなら」
「そうした愚か者はな、だがその愚か者には常にだ」
まさにというのだ。
「悪辣な扇動者がいる」
「それも歴史の常ですね」
「アジテーターですね」
「それがいますね」
「これはおおむね宗教家や思想家だ」
そうした立場の者達だというのだ。
「それも極端な、な」
「カルトに近いですね」
「そうした考えの持ち主ですね」
「戦争を煽るなぞ」
「そうした連中だと相場は決まっていますね」
「そうだ、宗教といっても色々だ」
カミュは己の信仰からも述べた、彼にしても神の存在を信じていて複数の宗教を信仰しているのだ。
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