第14話(1章終了)
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ちゃんと受け取ったしな。あの後、クルガの里に帰ったようだが今度は親父さんと一緒に来たのか?」
「いえ……そのう……実は勘当されちゃいまして。」
「へ。」
「えええええっ………!?」
気不味そうな表情で答えたフェリの驚愕の話にヴァンは呆け、アニエスは驚きの表情で声を上げた。
「戦士団の言いつけに背いて勝手に動いたことが理由です。戦士としても、あまりにも未熟………”半人前”にすら至っていないと。それで副頭目に、広い世界を学んでくるように言われまして。――――――アイーダさんの件、お二人には本当にお世話になりました。依頼以上に大切なものを教えてくれてアイーダさんの望みも叶えてくれて……そしてクルガの戦士にとって”恩”は全身全霊を賭けてお返しするものです。ですから――――――どうかわたしもしばらくお手伝いさせて下さいっ!」
「わあっ、もちろん大歓迎ですよ〜!」
「か、勝手に歓迎すんじゃねえ!?」
フェリの申し出にアニエスが手を叩いて喜んでいる中、ヴァンは疲れた表情で反論した。
「あ、忘れてました……!これ、お父さん(アブ)からヴァンさんにって。」
「手紙……?ったく冗談じゃねえぞ……(ハハン、大事な娘みたいだし、俺の方から思い止まらせろってか……?)」
フェリに手紙を渡されたヴァンは手紙の内容を推測して呆れた表情を浮かべて手紙を読み始めた。
前略 ヴァン・アークライド殿
この度は娘の我儘に付き合っていただき感謝する。以前クルガの者も世話になったようだが噂に違わぬ仕事ぶりと改めて感服した。――――――しかし娘の成長の機会を奪ったこと、親としてはともかく、副頭目としては遺憾だ。
代償として、幾らコキ使ってもよいのでおぬしから成長の機会を与えてやって欲しい。……ただし万が一手を出したら”全クルガ”を持って死を与えるか――――――色々な意味で”責任”を取ってもらうのでそのつもりでおれ。
草々 ハサン・アルファイド
「えっと、ヴァンさん……?なんだか顔色が青いようですけど……」
「えっと、お父さん(アブ)はなんて……?」
手紙を読み終えて表情を青褪めさせているヴァンが気になったアニエスとフェリはそれぞれ不思議そうな表情でヴァンに訊ねた。
「何でもねえっつの!そもそも住む場所はどうすん――――――って。だああっ、もうこの上の空き部屋を契約してんのかよっ!?」
二人の疑問に対する答えを誤魔化したヴァンは手紙にフェリが事務所の上の空き部屋を借りて住む事も書いてあるのを確認し、二人目の”押しかけ助手”も断れなくなったという状況に表情を引き攣らせて声を上げた―――――
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