第14話(1章終了)
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言葉に決意の表情で頷いたゲラント連隊長は透明になりかかっている部下達の遺体を見つめて敬礼をし、ゲラント連隊長に続くようにアイゼンシルトの猟兵達も敬礼し、ハサン副頭目達クルガ戦士団の戦士達はクルガに伝わる死者達を見送る時の動作である手を胸に当てた。
「っ………!?あ、ああ……」
「……………………」
その様子を見たフェリは驚いた後アイーダの肉体も光を放って透明になりかかっているのを目にすると悲痛そうな表情を浮かべ、その様子をゲラント連隊長は重々しい様子を纏って黙って見守っていた。
「ありがとう……裏解決屋。それと助手のお嬢ちゃんにお嬢ちゃんの天使に、ガルシアも………おかげで可愛い妹分と最後にこうして話ができる……」
「……アイーダさん……」
「……………………」
「……成り行きとはいえ、まさか”西風”が解散する前に”団”を抜けた俺が”団”の連中の代わりにお前を看取る事になるとはな………」
アイーダにお礼を言われたアニエスは悲しそうな表情を浮かべ、ヴァンは真剣な表情で黙ってアイーダを見つめ、ガルシアは寂しげな笑みを浮かべて呟いた。
「ダメだよ……アイーダさん……昔のことを教えてくれるって……」
「フフ……アンタが成長すれば他のヤツからも聞けるだろうさ……そうだね……アタシのもう一人の妹分とか……」
「そんなの知らないっ……!アイーダさんから聞きたいんだよっ!」
アイーダの死が近づいている事から逃れたいかのようにフェリはアイーダの言葉に首を横に振って声をあげた。
「……そのためにもフェリ、アンタは成長しなくちゃならない……だから―――……最後のトドメはアンタがしとくれ。」
「ッ……!?」
「なっ……!?」
アイーダの信じ難い頼みにフェリは息を呑み、アニエスは信じられない表情で声を上げた。
「聞き届けるがいい、フェリーダ。」
するとその時ハサン副頭目が二人に近づいてフェリに声をかけた。
「……お父さん(アブ)……」
「お前がこの先も戦士であり続けるなら必要な儀式だ。”火喰鳥”殿の厚意を無駄にするな。」
「……ッ……」
ハサン副頭目の指摘に唇を噛み締めたフェリは腰に差しているダガーを取り出してアイーダに向けた。
「フェリちゃん、駄目……!」
「お嬢さん、口出し無用だ。」
「見届けられぬならば目を背けていてもらおう。」
それを見たアニエスはフェリに制止の声をかけたが、ゲラント連隊長とハサン副頭目は口出し無用である事を告げた。
一方アイーダにダガーを向けたフェリだったが、アイーダに止めを刺す事を躊躇っていた。
「ど、うして……わたし……わたし……」
「……フェリ……」
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