第92話 霧に潜む悪意
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と鞄から何か液体を取り出した。そして大きな器をどこからか取り出してそこに液体を流し込んだ。
「これは故郷で使ってる魔法薬です、これ自体は特に効果は無いのですが薬草などと組み合わせて使います。ここに……」
月光草と歯型のついた果物を入れて棒でかき混ぜていく。
「後は1日ほど待ってよくなじんだら準備は完了です」
「じゃあ犯人を追うのは明日になるな」
エマの話では準備に1日かかるようなので今日はなにもできないな。もっともこの濃霧と夜の中で出歩くなど自殺行為だけど。
「た、大変じゃ!」
するとそこに誰かが慌てた様子でギルドに駆け込んできた。
「市長さん!?一体どうしたって言うの?……なんかこんなやり取りを前にした覚えがあるわね」
「おおエステル君じゃないか!ロレントに帰っていたのかね?」
エステルは入ってきた人物、クラウス市長を見て首を傾げていた。
「うん、この霧のせいでロレントが困ってるって聞いて急いで帰ってきたの」
「そうか、それはありがたい」
市長さんは俺達を見渡して安堵の息を吐く。
「どうやら君たちは無事のようだね」
「どういう事?」
「実は先ほどウチで働いているリタ君が急に倒れてしまってね、それと同時にロレントの住民たちも同じように昏睡してしまった人たちが出たんだ」
「あんですって!?」
市長さんの話ではロレントで複数の人間が急に昏睡してしまったらしい。
「なにか異常事態が起きたみたいね。エステル、皆、状況を確認しに行くわよ」
「分かったわ!」
シェラザードさんの指示にエステルだけでなく俺達も頷いた。そして俺達は手分けしてロレントの町を駆け回っていった。
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