第92話 霧に潜む悪意
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れるかもしれないわ」
苦笑するティオにエステルは農園に向かおうと話す。彼女をこのままにしては置けないし情報を得られるかもしれないからね。
「シェラ姉もいいわよね?まだ正式に依頼されてないけど」
「勿論よ。遊撃士は市民の味方、直ぐに向かいましょう」
そして俺達はパーゼル農園に向かうのだった。
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―――
「凄い……あっという間に農園に戻れちゃった」
「この眼鏡のお蔭よ。完全じゃないけど霧が晴れて見えるの」
「凄い、そんなアイテムもあるんだね」
迷うことなくパーゼル農園に来れたことをティオは驚いていた。彼女はエマのくれた眼鏡がないので真っ白な景色しか見えないのだろう。
しかし何回もティオっていうとクロスベルにいるフィーの親友を思い出してしまうな。このゼムリア大陸では同じ名前の人間が割といるのでいつかリィンという名前の別人に会う事が起きるかもしれない。
まあ今はそんな事を考えている場合じゃないか。
思考を切り替えた俺は仲間と一緒に農園の関係者に話を聞くべく家に上がらせてもらった。
「ハンナおばさん、おじさんは大丈夫!?」
「エステル!?貴方帰っていたの!それにシェラザードさんも……ティオが呼んできてくれたんだね」
「それがね……」
エステルが声をかけた女性が振り返って驚いた様子を見せる、そして事の流れを説明した。
「そうだったの。ごめんなさい、ティオ。危険な目に合わせてしまって……」
「お母さんは悪くないよ、だから謝らないで」
ハンナさんはティオに謝るが彼女は気にしないでと答えた。怖かったはずなのに家族思いの良い子だな。
「取り合えずまずはフランツさんの容体を見せてもらえるかしら、彼は今どうしてるの?」
「まだ意識が戻らずに眠っていますわ」
俺達はフランツさんの容体を確認する、後頭部に傷があったので背後から殴られたんだろう。幸い傷は大きくないが後遺症が怖いので調査が終わったらすぐに教会に連れて行くことにした。
そして次に畑の調査をしたが酷い有様だ、土は足跡だらけ、踏み潰された果物や野菜を見てティオ達は悲痛の表情を浮かべていた。
「絶対に許さないわ、犯人はとっつかまえてボコボコにしなきゃ」
「俺も数発殴る権利はあるよな?西風を舐めたらどうなるか思い知らせてやる」
エステルは幼いころからの友人の農園を荒らされたこと、俺は自分の真似をして悪事を働く奴らに怒りを露わにする。絶対に破甲拳を喰らわしてやる。
俺達は許可を得て畑の調査に入る、すると家の屋根から何かが飛びおりてきた。
「ここにいたの
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