第92話 霧に潜む悪意
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ロレントに来た窃盗犯を自分達で捕まえればいいと言う、だがクローゼさんの言う通りもう逃げてしまってる可能性もあるな。
それを聞いたエステルは気まずそうにする。
「それを確かめるためにも情報を得る必要があるわ」
「ああ、地道だがそれ以外に方法は無いからな」
アイナさんの言葉にジンさんも頷いた。
俺達はロレントの各地を手分けして動くことにした。俺はエステル、シェラザードさん、オリビエさんと行動する事になった。
「何かこのメンバーで集まると前に空賊のアジトに侵入した時を思い出すわね」
「あの時はこんな事になるとは思ってもいなかったわ」
「僕とリィン君の初めての共同作業だったね」
「キモいですよ」
エステルが懐かしそうにそう言いシェラザードさんはこんな大ごとの事件に巻き込まれるとは思っていなかったと話す。
オリビエさんがニヤケながらそう言ってきたので俺は辛辣に返した。
「でも一人いないのよね……」
「エステル……」
「……なーんてね、いまさらそんな事でクヨクヨしないしヨシュアは絶対に連れ戻すんだから!」
「アンタねぇ……まあ辛いことを冗談にして言えるようになっただけ成長したって事にしておくわ」
「えへへ」
しょんぼりとした表情を浮かべたエステルにシェラザードさんが顔を歪ませる。
だが次の瞬間には笑みを浮かべて冗談を言うエステルにシェラザードさんは呆れた顔を見せながらも嬉しそうに笑った。
そして俺達はミルヒ街道に向かいヴェルテ橋の関所などに行って情報を得ようとしたが有益な話は聞けなかった。
「うーん、やっぱりこの濃霧だと目撃情報も得られなかったわね」
「取り合えず一旦戻りましょうか」
エステルは濃霧のせいで目撃情報は得にくいと話す、俺達はエマのくれた伊達眼鏡のお蔭である程度視界が確保できてるがなければ隣の人物の顔すら見にくいくらいだ。
俺は一度ギルドに戻ろうと話す。
「きゃああああっ!?」
すると近くから誰かの悲鳴が聞こえたんだ。
「えっ、悲鳴!?こんな場所で!?」
「こっちだ!」
エステルが驚き俺は声がした方に走る。するとそこには女性が3体の魔獣に囲まれているのが見えた。
「オリビエさん!」
「任せてくれたまえ」
俺の言葉にオリビエさんは既に銃を構えていて3発の銃弾を魔獣に打ち込んだ。
銃弾を受けた魔獣は女性ではなく俺達に振り返り咆哮を上げた、敵と認識されたみたいだな。
「あんた達の相手はあたし達よ!」
「エステル、気を付けなさい。コイツはジャイアントフット、手配魔獣にもなった強力な魔獣よ」
「了
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