敢闘編
第八十話 誤算
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だ」
11:45
銀河帝国軍、ヒルデスハイム艦隊旗艦ノイエンドルフ、
ラインハルト・フォン・ミューゼル
「参謀長、これ以上は…おそれながら撤退を進言します」
ミッターマイヤーは真正面から俺を見据えている。それはロイエンタール、キルヒアイスも同じだった。
「いけると思いましたが…残念です」
残念。そう、悔しいが残念だ。これ以上は本当に孤立してしまう。ウィンチェスター艦隊は今も後退を続けているし、マッケンゼン艦隊は完全に足止めされてしまった。まさか、こうも簡単に奴にあしらわれてしまうとは…俺には奴を倒す力が無いのか?対等の条件で戦ってみたいなどと…度しがたいにも程があるではないか……。
「逃した魚は大きい、か……全艦停止。斉射三連後、艦隊四十度回頭。撤退する…司令官閣下、まことに申し訳ありません」
俺を見る伯の瞳は、どこか優しげだった。
「よい。卿等の進言を容れたのは私なのだからな。必ず復仇戦の機会はある、生きて帰還出来るだけよしとせねば…」
俺を励まそうとしてくれた伯爵の声は、直撃来ます、というオペレータの声にかき消された。
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