敢闘編
第八十話 誤算
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
でしょう」
「ですね……。中央部急速後退。V字陣形に再編する」
「了解しました……中央部急速後退!V字陣形に再編!攻撃の手を緩めるな!」
4月18日07:00
銀河帝国軍、ヒルデスハイム艦隊旗艦ノイエンドルフ、
ラインハルト・フォン・ミューゼル
「敵艦隊、中央部後退!…V字陣形を構築する模様!」
スクリーン上の概略図には、敵が陣形を再編する様子が描き出されている。ミッターマイヤーとロイエンタールの二人は難しい顔で画像を注視していた。
「明らかに誘っているな」
「ああ。我々に時間がない事は分かっているだろうからな」
あざとい…香水のきつい女は止めた方がいい、というのは本当の様だ。だが…。
「閣下、紡錘陣形に艦隊を再編、中央突破を狙います」
「うむ。その後背面展開、我等の後方に位置するマッケンゼン艦隊と呼応して敵を前後から挟撃、だな?」
「はい。さすれば短時間のうちにウィンチェスター艦隊を撃滅する事が可能です」
「よし。卿等の良きように」
「はっ!」
卿等の良きように…自由裁量権という事か、ありがたい…。
「キルヒアイス、マッケンゼン艦隊に連絡。我々の中央突破後、前進し攻撃参加せよ」
「了解しました」
4月18日07:20
自由惑星同盟軍、第十三艦隊旗艦グラディウス、
ヤマト・ウィンチェスター
ヒルデスハイム艦隊の展開が早い。
「フォーク少佐、艦隊の座標は広域発信しているな?」
「はっ。ご指示通り十分毎に発信を続けております」
「よし。右翼のワイドボーン大佐、左翼のダグラス大佐に連絡、作戦開始」
「はっ」
07:30
第十三艦隊、ダグラス分艦隊(臨時編成)旗艦ムフウエセ、
マイケル・ダグラス
本当に分艦隊司令をやらされるとはね…『よろしく頼むよ、親友だろ』なんて言われたら断れねえしな…まあ、やるしかねえか、白兵も艦隊戦もやる事ぁ同じだ。
「中継艦よりの発光信号、確認」
「よし!前進だ。敵の後背につく。反対側からもワイドボーン分艦隊が来るぞ、座標に注意しろ!」
07:45
銀河帝国軍、ヒルデスハイム艦隊旗艦ノイエンドルフ、
ラインハルト・フォン・ミューゼル
「ラインハルト様、これは…」
「我々が中央突破狙っていると知って、それを逆手に取ったか」
敵の両翼が前進、中央部は後退…前進した敵両翼が我々の後背に周り込んだ結果、逆に我々が前後より攻撃を受ける結果となった。
「流石はウィンチェスターと言ったところか…大丈夫だキルヒアイス。苦し紛れの行動だ。後背に回った敵は長続きはしない。マッケンゼン艦隊が控えているのだからな」
08:30
敵の両翼が我々の後背に回った事で、敵の中央部は二千隻程となった。たとえ後背から攻撃を受け
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ