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不可能男との約束
確固たる行進
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「まぁ、俺達だけで行けば叱られるのは俺達だけで済むだろうしさ───俺が行ってちょっと叱れば俺の分はそれで終わりなんだ」

でもなぁ

「俺はそれだけで十分なんだ。ホライゾンが死ぬしかない存在ではない、殺されるだけの存在じゃないってだけで俺はもう十分なんだ。それさえあれば俺は行けるし、笑える」

だからな

「お前らにもしも大事な人が出来たんなら、こう思ってくれよ───お前らは救えることが出来る人間なんだ。出来ねえ俺が保証してやるよ」









……馬鹿ねー。

オリオトライは苦笑と共に二人の馬鹿が階段を下りて行くのを見ていた。
何時も力を隠して、しかし、ずっと馬鹿に期待していた熱田に。
何も出来ねえと思ってても、それでも自分の夢をずっと諦めなかったトーリ。
だから、二人で馬鹿をしに行くと言う二人。
ベクトルは多少違えども、やっぱり、二人の馬鹿は根本的には似たようなモノねと苦笑を深くする。
隣で光紀がおろおろしているけど気にしない。
ヨシナオ王が二人を引き留めようとしているけど、気にしない。
だって、私はこの後、子供たちが何をするのか大体予想しているのだから。

「あ……」

隣で光紀がその光景に漏らす。
誰も彼もが二人の後を追って行ったからである。梅組メンバーも、そうじゃない生徒達も。
誰も彼もが王とその剣を追いかけた。
誰も彼もがやれやれといった感じに笑い、苦笑して、二人の後を追いかける。
何て素敵な子達だろう。配点は満点。
素敵過ぎて、さっきまでの苦笑が微笑に変わっているのが解る。
そして追いつかれた二人が、その光景を見て、仕方なさそうに笑った。

「頑張れ……頑張れ……」

頑張って前を向いて、歩いて、辿り着いてほしい。
そう、これはただ進路を選んだだけなのである。
じゃあ、テストを受けなきゃ。
夢を叶える為にテストを受けて、そして合格点を取るの。平均点くらいじゃ認めるのは難しいわね。やっぱり、夢を叶えるのだから満点を取らなきゃ。
だから

「頑張れ……頑張れ……」

頑張って───夢を叶えに行きなさい。









「まったく物好きな馬鹿どもだぜ」

「それに関しては同感だぜ親友。というか、東。来ても大丈夫なのかよ」

「大丈夫だよ……余にだって出来る事があるはずだから」

元皇族の東の言葉を聞いて皆苦笑する。
何一つ気負いのない行進。
これから世界に喧嘩を売る態度とは思えない、昨日までと変わらない姿であった。
そして彼らが階段を下りると、そこにはアリアダスト教導院学長の酒井・忠次学長が何時も通りの笑顔でそこに立っていた。

「おう派手な出陣だねぇ」

「派手あってこその始まりだろうが」

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