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不可能男との約束
確固たる行進
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。こういう時は正純を目の前の少女にぶち当てなければいけなかったかと、ようやく思いついてしまい、しかし悲しいかな。
正純とは距離が遠過ぎたし、目の前の少女に近過ぎたのである。

「いざ尋常に───」

どうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうする? と頭の中で混乱して、混乱しまくった結果。
出た言葉はただ一つ。
とりあえずぶった斬るか。

「待ちやがれーーーーーーーー!!!」

叫びの勢いでそのまま右手のメスを振るった。









……これは!

二代は武蔵副長からの攻撃に物凄く驚いたと言ってもいいだろう。
距離からしたら、振るった攻撃は大いに空振らなければいけない距離である。
当たり前である。
こっちは長物で、あっちは武器どころかメスである。人間を相手に振るって当たるようなものではない。そもそも攻撃になるとは思えない。
それなのに、振るった斬撃は飛んできた。

何と面妖な……!

術式ではない。
そんなものが発動したのを見ていない。そして、そもそも剣神・熱田には術式は使えない。
その身に宿る流体は全て外ではなく、内にしか向かないという事らしくて、術式などが使えないらしい。それでも近接最強の称号を得ているのは、その流体を全て自己の強化に使っているからと

確か……剣神は自身の配下と言ってもいい剣と同化することによってその威力を発揮するとか……!

だとしたら、これがそれか。
言葉だけで全く理解できていなかったという事になるが、そんな事を言っている暇はない。
既に飛ぶ斬撃は地面を削って、五メートル近くに来ている。
対してこちらは突撃しようとする瞬間であり、体勢は前に行こうとしている。
初動が遅れたという事実に悔しさを感じながら、避ける為に前に出ている右足を自分の左足で、右に払う。それで右に勝手に転ぶが、このままでは第二射がが来た時に耐えられない。
ならば

……蜻蛉切り!

剣神に向けていた蜻蛉切りの石突きで地面を穿つ。
その衝撃で自分の体は猫の体のように丸まって跳ね飛ぶ。そしてその後に右足から足を付けて、視線を前にする。そしてこのまま加速術式で───

「おーーー!? やっちまったーー!! つい、誤って思いっきり、メスを振るって潰しちまった!!」

「熱田ーー。今、気付いたけど、それって学校の備品のように思えるんだけど?」

「!! 違うぜ! これはアデーレの犬達が奪おうとしていたところを俺が奪い返した戦利品だぜ! むしろ、俺、正義の味方!」

「ここで何で自分に弾を逸らすんですかーー! ち、ちが、違いますよ! 自分の犬達はそんな躾けの悪いことしませんよ!?」

「でも、そういえば先生。以前、アデーレの犬
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