確固たる行進
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「ちょっ……熱田。少しは礼儀を……」
「はっはっ、いいんだよ正純君。この馬鹿はこれくらいで丁度いいくらいの調子なんだよ」
そこでとりあえずと前置きを作って
「その剣。使う気になったのかい?」
「……まぁな。俺の剣になってくれているんだ。使わなきゃもったいないぜ」
「使ってこその剣。でもね。使うからには───」
「勝ちを拾えっていうんだろ。何を当たり前の事言ってんだ爺。熱田の剣神が剣を抜くときは必勝だぜ」
二人の会話の意味は誰も理解できていなかった。
だけど、二人はそれを無視して熱田がそれにだと前置く。それを酒井学長は興味深そうな顔で聞く。
その宣言は
「俺は世界最強になる男だぜ。こんな所で負ける様な熱田様じゃねーンだよ」
「……はは」
皆が熱田の発言に流石に驚いた。
だが、酒井学長は少し驚いた後に、本当に可笑しそうな顔で、お腹の痛みを耐える様な震える笑いを吐き出した。
「ははは……その台詞───ダっちゃんに聞かせたかったよ」
「天国まで届けば問題ねーよ。もしくは地獄か?」
はは、とまた笑い、そしてそのまま視線を全体に向けた。
「まぁ、でも、ホライゾンを連れてちゃんと帰ってこいよお前ら。遠足は家に帰るまでが遠足ってよく言うでしょ。それと同じだ」
「おいおい学長。これからちょっと聖連に喧嘩売るのが遠足と同じなのかよー」
「お前さんが一番そんな風に思っている気がするけどね、トーリ」
苦笑して、しかし言葉は続ける。
「現場に置いては努力をするな。ただ全力を出せばいいんだ。限界何て超えたら無駄に肩に力が入るだけなんだから。ただ今まで積み重ねたものだけを信じろ。そしてそれでも無理だったら……」
一息を入れて、そして言った。
「生還しなよ」
「───Jud.!」
言葉を合わせてその言葉を皆が受け入れる。
その言葉を皆が胸に刻んでいる中、トーリが浅間に喋りかけた。
「なぁ、浅間」
「……何です?」
「俺がオマエに預けていたの借りていいかな。きっと、これから必要になる事になると思うんだわ」
その言葉に誰もが視線をトーリと浅間の方に向ける。
その言葉の意味を解らない梅組じゃないのだ。
その言葉に反応したのは喜美であった。
「ふふふ、愚弟。別に構わないんだけど、忘れちゃいないでしょうね?」
「ああ、大丈夫だよ姉ちゃん。俺は何も出来ねえから、直ぐに人を頼りにすると思うけど、それを皆のせいにする気はないし、それに───死ぬ気もねえよ」
「ふふふ、ならいいわ」
「……まったく。本当に人の話を聞かない姉弟ですね……解りました。こっちで通す準備をしときます」
「ありがてえ」
その言葉に
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