確固たる行進
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唐突に目の前に現れた女侍に周りがざわめく。
少なくとも戦闘系の特務クラスは目の前の少女のスピードに驚いているだろうなぁと熱田は一応、目の前の少女から密かに間合いを取るためにじりっと一歩下がる。
すると、しっかり瞳では見ていなくても、しかし、目の前の少女はしっかりこっちを捉えている事を気配で気付く。
……へぇ?
疼く血が止まらない。
正直に吐けば、トーリがやる気になったせいで、自分の自制心はさっきから罅割れ状態だ。まだ割れてないことが奇跡だぜと思っている。
いけねぇいけねぇと自分に言い聞かせる。
だから、両手を震わすんじゃねえよ、俺。
「……二代か!?」
「正純か……中等部以来か」
正純が目の前の少女に叫んで話しかけるのをガリレオと同じ風にどうでもよさそうにしながら聞く。
知らない関係だったが、この場で驚く事ではない。
だから、既にガリレオは目の前の刃を見ながらも、それを認めた上で更に前に一歩進んだ。
その行為に本多・忠勝の娘である本多・二代は少し、目を細める。
「───邪魔する気かね」
「邪魔をしているのはどちらで御座るか」
おいおい。
止めに来たお前らが一触即発になってどうすんだよと思わず内心で思うが、こういう争いごとを止める才能が自分にはない事を知っている。
どちらかと言うと俺は
「おっしゃぁ! どっちが勝つか見物だぜ。ま、最終的に勝つのは俺だけどな」
「ここで煽ってきやがった!」
周りのツッコミに俺は投げキッスをする事で応えた。
物凄い嫌そうな顔で睨まれた。
あの野郎ども……ノリって言うのが解らねえのか……!
後でシメてやると心に誓って、トーリたちの方に向かう気配を感じ取る。
気配の数は二人。
そして知らない気配と言うわけでもない気配であった。
「お! 麻呂に麻呂嫁だぜ! 何だよー、二人とも俺の活躍を見に来てくれたのかよー! よっしゃ! じゃあ、俺の象さんの偉大さを見せる時が……!」
「いらんわーー!! 麻呂を馬鹿にするな! 麻呂は武蔵王ヨシナオであるぞ! 大体、忘れていないか? 総長連合及びに生徒会の権限を預かっているのは麻呂だぞ!」
「お? お? お? おいおい皆! どうやら麻呂は自分を倒さなきゃ権限を奪えないぞってご丁寧に魔王宣言をしてきてくれたぜ!」
「つまり、麻呂王を倒せば権限を奪回……これってマジで下剋上ってやつじゃねか!? おい!!」
「この馬鹿総長&馬鹿副長は……! 麻呂に向かってなんてことを……!」
「ヨ、ヨシナオ王! すいません! この外道共が失礼を……! 後でズドンしときますからここは落ち着いてくれませんか!?」
「ふふふ、浅間。あんたの発言に皆が戦慄したわよ───ねぇ、点蔵! そうでし
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