第五十九話 荒野の宗教その三
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「ヘブライの周り含めてな」
「それでやな」
「尚更な」
「厳しい教えになってたな」
「自然環境も過酷で」
「対外的にもやな」
そちらもというのだ。
「相当に」
「過酷やった」
「バビロン捕囚もあったな」
「エジプトに囚われたりな」
「色々あったな」
「アッシリアとかバビロニアとかね」
アレンカールーも言ってきた。
「あったしね」
「大国がな」
「ヒッタイトもね」
「エジプトも大きかったしな」
「周りは大国が常にあって」
そうしてというのだ。
「小さな国もね」
「大勢あってな」
「その殆どがね」
「敵やったな」
「何か聖書読んでたら敵滅茶苦茶多いし」
ヘブライの民のそれはというのだ。
「本当にね」
「戦も絶えんでな」
「もう生きるか死ぬか」
「そうした状況やったな」
「対外的にもね」
「ペリシテ人とかやな」
「というか一神教で」
それでというのだ。
「他の多神教の民族をね」
「全部敵視してたな」
「そうだったしね」
「旧約聖書を違う視点から読むとやな」
「ええ、もう周りの諸国家とね」
「宗教で揉めてる国やったな」
「自分達以外は認めへんって言って」
そう主張してというのだ。
「言いがかりつけて喧嘩売ってる」
「そうした風やったな」
「そうした状況でね」
それでというのだ。
「対外的にもね」
「揉めてたな」
「常にね」
「考えてみたら自業自得の部分があるな」
トウェインはこう言って左手に持っているミョッルニルを上から下へ叩き付ける様に一閃させて落雷を落としてだ。
前にいたゴブリンの天界の装備をした兵達を倒した、今攻めようとしていた彼等は一行に金を残してお見事と告げて去っていった。
それを見届けてからだ、トウェインはまた言った。
「ユダヤ教の大変な状況や」
「他国と宗教で揉めると厄介や」
中里は駄目だという顔で述べた。
「それを自分達からするとな」
「過酷な自然環境と合わせてやな」
「余計に大変なことになるなんてな」
そうなることはというのだ。
「ほんまな」
「当然のことやな」
「そや」
まさにというのだ。
「それはな」
「考えてみればそやな」
「しかも妥協せんしな」
旧約聖書は妥協を否定している傾向が強いと言えるだろうか、徹底的に信仰し他者との融和はそこにはあるのであろうか。
中里はそう考えつつだ、トウェインに話した。
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