第百十九話 他の国から見ればその六
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「日本だと」
「仏教の宗派も沢山あるわね」
「浄土宗とか浄土真宗とかね」
「真言宗とか臨済宗とかね」
「かなりあるわ」
「けれど差別ないでしょ」
宗教が違ってもというのだ。
「日本だと」
「普通はね」
殆どの宗派はというのだ。
「何だかんだ言って日蓮宗もね」
「妥協してるわね」
「最初は違ったけれど」
開祖の日蓮はというのだ。
「兎に角過激でね」
「日蓮さんはよね」
「堂々と鎌倉に乗り込んで」
文字通り鎌倉幕府の本拠地である、当然ながら幕府の者が普通に歩き回っていて居を構えていて政を行っていた。
「他宗派を街頭でね」
「批判しまくっていたわね」
「それで執権さんの宗派も攻撃して」
禅宗であったという。
「挙句幕府の政治もね」
「批判したのね」
「それで流石に幕府も怒って」
自分達の拠点で堂々と信仰している宗派に政治を批判されてだ。
「処刑しようとしたのよ」
「そうよね」
「けれど結局しなかったのよ」
斬首しようとした刀に雷が落ちて折れてだったという。
「仏様のご意志とかで」
「それを感じて」
「それで流刑になったのよ」
「そうなったのね」
「まあこの人位ね」
「他の宗派を攻撃する人は」
「他の宗教もね」
そうした人物はというのだ。
「それで差別もね」
「ないでしょ」
「その日蓮宗もね」
他宗派を攻撃していたこの宗派もというのだ。
「何だかんだで落ち着いたし」
「日蓮さんみたいに過激でなくなって」
「大抵の人はね」
日蓮宗であってもというのだ。
「織田信長さんも日蓮宗だったけれど」
「信長さんも信仰心あったのよね」
「実はね」
一華もこのことは知っていてその通りだと答えた。
「あの人もね」
「そうよね」
「無神論って言われてたけれど」
「実はよね」
「信長さんなりの信仰心があって」
そうしてというのだ。
「神社にお参りもね」
「してたわね」
「迷信を信じなかっただけで」
「神様は信じてたのよね」
「仏様もね、元々神主のお家だし」
越前今の福井県のそちらの出であるのだ。
「それでね」
「信仰心もあったわね」
「ええ、けれどね」
それでもと言うのだった。
「日蓮宗以外の攻撃は」
「自分に何かしないとしなかったわね」
「一向一揆とかね、実はお寺燃やさなかったそうだし」
比叡山の焼き討ちが有名だが実は一部が燃えただけであったらしい、歴史の真実は後になってわかることも多いということか。
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