第五話 黒猫団と…
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るとスキルの錬度が低いから今の内に片手剣に転向させようと思うんだ。でもなかなか時間が取れない上にいまいち勝手が良く分からないみたいでさ、よかったら、少しコーチしてあげてくれないかな?」
「なによ、人をみそっかすみたいに」
サチは頬を膨らませるとちらりと舌を出して笑った。
これまで俺はずっと殺伐とした最前線で暮らし、リソースの奪い合いを続けてきた俺にとって彼らのやり取りは微笑ましく、そして眩しく俺の眼に映った。
「みんないい奴だから、キリトもすぐ仲良くなれるよ、絶対」
ケイタを含め黒猫団の面々がいい奴こうやって楽しく話しているだけでもうすでに分かっている。
俺は彼らを騙していることに罪悪感を感じていたが、
「じゃあ……仲間に入れてもらおうかな。改めて、よろしく」
笑顔を作り頷いた。
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「キリト、よろしいのですか?」
小さな宴会が終わり、ギルドに入った俺を含め皆が宿に戻ると、各々の部屋で睡眠を取るため分かれた。
部屋に入った俺に今まで俺の後ろを黙ってついてきていたセイバーが唐突にそのようなことを言いだしたのだ。
「…何がなんだ」
「キリトが自らの力を偽って彼らと共に行動することがです。確かにあなたの力が加わればギルドの実力も上がるでしょう。しかし、いつか嘘というものはばれるものです。嘘がばれた時、彼らから罵りの言葉を浴びせられるかもしれない。そして下手をすれば命の危険だってあるかもしれないのです」
セイバーの言葉を俺は黙って聞く。
「それに私たちは聖杯戦争の参加者です。いきなりの襲撃の際、周りにいる彼らが巻き添えになる可能性だってあるのです。そうなる前に私たちは彼らから離れるべきです」
「……分かってる―――――分かってるんだけど」
俺は言葉に詰まりながらも声をひねり出すように続ける。
「―――――もう少し……もう少しだけ彼らといちゃいけないかな…」
絞り出すように俺は呟いた。
俺が彼らといることはかなりの危険が伴う。
でもそれ以上に俺は彼らと一緒にいることに居心地の良さを感じていた。
「…………」
セイバーは黙ったまま俺の顔を見つめ
「……分かりました。もう少しだけ彼らと行動を共にしましょう。しかし、覚悟だけは常にしておいてください。いつ彼らと別れることになるかは分からないのですから」
セイバーはそう言うと俺の部屋から出て行った。
いつ彼らと別れることになるかは分からない。
そのセイバーの言葉は俺の中で強く反響し続けていた。
俺がビーターとばれた時、彼らから非難を受けそしてギルドから去るかもしれない。
フィールドにいる途中で他のサーヴァントからの襲撃に遭い、黒猫団のみんなが戦
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